内容説明
だれが呼び始めたか、「重蔵組」──。芝居小屋・河原崎座の奈落の底に仲間を招集したのは、腕利きの元北町奉行所同心・五十坂重蔵であった。若い頃は定町廻りとして悪党どもを引っ捕らえ、例繰方に転属後は、頭の切れを活かして数多の未解決事件を処理している。そんな重蔵も、惣領の官兵衛を跡番代として隠居していたが、その人柄と功績を見込んで、事件の相談や陳情に訪れる人々が後を絶たなかった。そこで重蔵は、人の苦しみ、悲しみを分かち、心を癒すため、いわば私設の奉行所を結成。信頼たる面々──元密偵の富五郎、髪結いのお紺、蘭方医の新船隼人とともに、一度は解決した事件に挑むのだった。一厘の疑念を晴らすべく、今日も鋭い洞察力でその全貌を明らかにする!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
46
元北町奉行所同心・五十坂重蔵、腕利きで霞一党を捕まえたが赤猫により逃がして20数年。その時のミスで例繰方に転属。惣領息子の官兵衛に跡番代として隠居したはいいが・・官兵衛は流行り病により25才と言う若さでこの世を去った。永い失意と鬱屈とした日々を過ごしていたが・・。やっぱりね人柄と功績も大事ですが、人との何気ない日常の付き合いが力をくれるんです。定年を迎えたからってのんべんだらりとしていては・・と爺さんに云い続けて20数年。霞の晋兵衛の執念を見習えよ!なんてね(;´∀`)。お助け同心として復活!・・羨ましい2022/06/13