風太郎不戦日記(2)

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風太郎不戦日記(2)

  • ISBN:9784065208762

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内容説明

山田誠也、のちに「忍法帖」シリーズでその地位を確立する大作家・山田風太郎は、昭和20年、医学生として東京にいた。時は太平洋戦争末期、同世代の若者は、みな戦地へ。しかし体調不良で召集を見送られた誠也は、お国のために体を張れない葛藤を抱えながら、日々を送っていた。そんな彼が当時の世間を、そして日本をどう見ていたか。克明に綴られた日記を、令和の今だからこそ、コミカライズ。2巻で描くのは5月~8月まで。3月の東京大空襲では、被災を免れた誠也だったが、5月の大空襲でついに…!? 個性派漫画家・勝田文がユーモアを交えて描く風太郎と昭和20年は、必読ものです!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

20
読メの感想で漫画化しているのを知りました。ものぐさな私にはありがたい。絵は岡崎京子風でした。東京の空襲が広がって近づいてくる緊張感がたまらない。ルーズベルト死去やソ連の参戦、広島へ新型爆弾が落ちたことを翌日に新聞で知っていたのは意外。特にソ連参戦は。情報統制しなかったんですかね?この迫りくる切迫感を感じれば感じるほど、朝ドラ・エールでまったく空襲を描写せず、都心在住のはずなのに「安全な家の中で」恩師の戦場死で鬱々としている主人公を描写したのは許せないな。周りで何万人と死んでいるのにね。。。2020/11/10

緋莢

12
高須の代わりに山形へ行き、束の間の安らぎを得る山田青年。しかし、自身の故郷には自分の居場所がなく、「帰郷しているのに郷愁を感じる…」と考えてしまいます。東京に戻ると、学校が信州飯田に疎開することが決定。飯田駅の切符売り場にいる美少女に「俺にも妙な目つきをしていたぜ」、「俺にもだ」、「俺も」と騒ぐ学生たちの姿は微笑ましいですが、広島に新型爆弾投下、ソ連の満州侵攻というニュースが入ってくるようになります(続く2020/11/21

さとみん

10
達観している面があっても風太郎はまだ若い。戦火が迫るとともに激情と諦念の振り幅が広くなり、また東京を離れ東へ西へと移動する激動の2巻。そうして迎えた八月十五日のカラーページの鮮烈さ!終戦とともに訪れた「新しき世界」、この延長に今があるはずだが、昭和は遠くなりにけり。とはいえ身の回りの道具は進化しても人間の中身は変わらないのだろう。令和2年になってこの日記をマンガで読むのは不思議な感覚だ。2020/10/25

マツユキ

9
空襲に遭い、疎開することになった風太郎。そして、敗戦。その場その場での風太郎青年の心境が鮮やかです。次、最終巻。2022/02/23

スゲ子

6
空襲、疎開、そして敗戦。精神的にも身体的にも(マジで住むとこがない)山田青年の寄る辺なさが際立つ2巻。空襲のシーン、凄惨な状況なのにあまりにも詩情あふれる描写で、イラストと相まって「抒情的な地獄」みたいになってる。そして悪夢の中を彷徨うような8月。山田青年がいきなり「愛国心」に目覚めてしまうとこがほんとヤバい。あのニヒリストで知性のカタマリのような山田青年が…ウワァ…って感じなんだけど、逆に言えばやっと彼が心の拠り所を見つけた瞬間でもあって…でもその直後に敗戦!山田青年の魂の孤独はまだ続く。2021/01/27

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