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内容説明
山田誠也、のちに「忍法帖」シリーズでその地位を確立する大作家・山田風太郎は、昭和20年、医学生として東京にいた。時は太平洋戦争末期、同世代の若者は、みな戦地へ。しかし体調不良で召集を見送られた誠也は、お国のために体を張れない葛藤を抱えながら、日々を送っていた。そんな彼が当時の世間を、そして日本をどう見ていたか。克明に綴られた日記を、令和の今だからこそ、コミカライズ。個性派漫画家・勝田文がユーモアを交えて描く風太郎と昭和20年は、必読ものです!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akihiko810/アカウント移行中
27
山田風太郎が医学生時代、徴兵されず東京で暮らしていた昭和20年当時の風物を描いた作品。勝田文による「戦中派不戦日記」のコミカライズ。 この作品はすごい。戦時下の医学生の生活が描かれた生身の戦中日記。すぐ隣にある死への諦念と、生への執着が余すことなく綴られている。空襲があって進学試験が中止になって全員進学になったことに喜んだり、大空襲で本郷が焼けたことに絶句したりする。戦時下の日常を正直につづった作品で、「この世界の片隅に」と同じく広く読まれるべき作品だと思う2022/07/04
かさお
18
借りマンガ。この世界の片隅に、の医学生バージョン、といった印象。昭和20年代の山田風太郎の日記を、勝田文がマンガ化。ジーブスも良かったが、今回も絵柄がとても良かった。コミカルだが泣きたくなる感じ。今のコロナを想うところも度々あった。もちろん次元は違うけど。緊張は長く続かない。疲弊し摩耗し麻痺して愚鈍になっていく。数字が増えているのに、「ふぅん」となって感じなくなってくる。こうして時が過ぎていくのを待つしかないのかな…2020/08/09
緋莢
13
原作となる『戦中派不戦日記』の存在は知っていましたが、読んだことはありませんでした。それが漫画化、しかも勝田文で!かなり驚きました。昭和20年、東京の医学生・山田青年の日々が描かれています。銭湯は、娯楽が極端に少ないのと、燃料がないため自宅で風呂をたてられない事から常に混んでおり、湯が汚い。しかも普通の履物を履いていけば絶対に盗まれるという描写、配給は僅か、闇で儲けている人がいると怒り、<かくて日本に不機嫌と不親切と不平とイヤミ充満す。>と書いたり(続く2020/11/21
fumikaze
13
昭和20年戦時中の山田風太郎の日記。空襲で焼け野原になり食料もない不安な様子が伝わって来る。比較にならないだろうが、コロナウィルス騒ぎで社会が不安になり買い占め(?)などが起こり始めている今読むと、あの時代に生き延びた人々は強かったんだなぁ、多分彼等なら今の騒ぎも冷静に受け止めるのだろうか、という気持ちになる。
マツユキ
12
若き日の山田風太郎さんが漫画に。小説家になるつもりはなく、病気で兵隊に行く事がなかった医大生です。戦争で生活が苦しくなる中、自分の事も含めて、世間を冷たく見つけながら、本人も調子が良い。まだ風太郎自身には大きなダメージはありませんが…。全3巻続けて読みます。2022/02/22