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内容説明
その少年は、15歳にして悪徳の限りを尽くした。傷つけ、犯し、奪い尽くした……。半年間の失踪を経て、記憶の全てを失ってしまった高校生、斎藤悠介。記憶喪失なりに平穏だった日常は、ある日、突然、破られた。次々に現れる過去を知る者、復讐者たち。覚えのない咎で断罪される瞬間、死肉に突きたてた刃の、幻を見た。━━さて。俺が殺したのは、どこの誰だ? 謎と暴力の記憶喪失サスペンス!
街中に広まった過去の罪が、平穏を蝕んでいく。豹変する住民。暴走する正義。理不尽な迫害。それでも自らの罪と向き合い続けた斎藤悠介。岡崎 菫が語る最後の記録は、一つの問いを残して締めくくられる。“本当の悪魔とは、一体誰だったのか……。” これは、悪魔と呼ばれた男の、罪と罰の物語──。現代をえぐる最先端サスペンス、慟哭の最終巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かぴばら
9
面白かった。過去に罪を犯した者は許されるべきか、周囲は許すべきかというのが大きなテーマだが、作者の考えを押し付けるでなく色々考えさせてくれる作品だと思う。ただ、本作の主人公は法的な裁きを一切受けないまま勝手に思い、悩み、行動してるだけなので何だかなあという感じ。後編は最低限一度服役して刑期を全うするなりしてからの展開にしないと、そりゃ迫害されても文句言えんでしょ。2022/04/19
たーたん@まんが用
7
全巻読んでの感想は若干冗長だがそこそこ面白く読めた。「加害者はどうしたらいい?死ねばいいのか?」ということが反復するテーマとして何度も訴えかけられたが、正直、何をしようとも死んだとしてもお前がやったことは償えないってのが答えかな。どうしたらいいのかに関してはどうすることも出来ないが答え。主人公は善行を積むのに私は全然心を動かされなかった。自分の中の根深い犯罪者嫌悪が露わになった点は少し面白かった。だってさ、複数回にわたる計画的な集団での性犯罪だよ、そりゃドン引きされても当然だって。2022/04/11
ままかり
5
他人に無秩序に石を投げてた人が、今度は石を投げられる番になる。ただそれだけの話だった。★★☆☆☆2025/03/30
るぅ
4
最終巻。最後まで色々とツッコミどころが(多々)あるけど、作者が伝えたかったことだけは分かった。過去に犯した犯罪をどんなに更生してもそれを許さない社会、何十年経っても犯人を許すことのできない被害者達、罪を犯した過去の自分から逃れられない苦しみ。完璧な善人がいないように全くの悪人もいない。2022/03/16
薫水
2
1-14巻まとめ読み。途中で止めると続きを読むのがつらくなりそうだったから、一気は正解かも。1部は悪魔だった自分の過去を受け止めること、2部は贖罪として生きる日々の葛藤、3部エピローグで悪魔と呼ばれた男はあなたにはどう見えますか?という問いで幕。1部はゾッとすることが記憶を失った主人公に襲い掛かる訳で恐怖だったけど、それから描かれる物語の中に主人公という人間を再構築している姿があり、これを描きたかったんだなと納得した。丁寧に描いた作品だった。2023/12/20