創元推理文庫<br> たとえ天が墜ちようとも

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創元推理文庫
たとえ天が墜ちようとも

  • ISBN:9784488136093

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内容説明

高級住宅街の路地で女性の遺体が発見された。刑事マックスは、目撃者の証言から被害者の夫である刑事弁護士プルイットに殺人の疑いをかける。プルイットは、長年ともに働いた仲間である引退した弁護士ボーディに潔白を証明してくれと依頼した。ボーディは弁護を引き受けたが、それは命の恩人である親友のマックスと敵対することを意味していた。たとえ友情を失おうとも、正義を為すべく対決する、検察側の証人マックスと弁護人ボーディ。予想外の展開となる陪審裁判を制するのはどちらか? 『償いの雪が降る』の著者が描く、激動の法廷ミステリ!/解説=若林踏

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

356
ジョー・タルバートが主人公ではないので読もうかどうしようか悩んだが読んで正解。こっちはこっちで面白い。『償いの雪が降る』ではそこまで存在感のなかったボーディがこんなに魅力的な人物だとは。ただし結末まで読むと相当無能(笑)。この作品の前に、マックスの弟が主人公となるノワール風の作品と、この後に今作の後日譚的なマックスの復讐劇があるらしいのに、すっ飛ばして次回作はボーディの少年時代らしい。それはちょっといただけない。完全に物語がつながっているなぜそういうことをするのか。よほど異質な内容なのだろうか。2025/01/13

ちょろこ

141
熱い法廷ミステリ、の一冊。女性殺害事件を発端に繰り広げられる、親友同士の刑事と弁護士の熱い闘い。前作とはまた毛色が違うものの今作も読み応えありで面白かった。親友かつ、心に傷を抱えた刑事マックスと弁護士ボーディ。二人の過去、心情を美と繊細な描写で描きながら、決定的な証拠だけがないもどかしさを抱えて熱い正義への闘いへと読み手をいざなう。ようやく幕が閉じた闘いの余韻もほんの一瞬。この魅せ方、展開、最後の最後まで誰もが迫られる選択、決断に気が抜けない。ラストは誰もが間違いなくこのタイトルを噛み締めたくなる良作。2020/10/22

stobe1904

115
【二転三転の法廷ミステリ】前作の『償いの雪が降る』でも感じたのだが、この作品も丹念に作られ、よくできたミステリだった、が読後の第一感。著者の法廷弁護士としての経験が生かされたスリリングな法廷シーン、二転三転するヒネリも効果的に決まり、先が読めない展開に読む手が止まらない。親友同士が刑事と弁護士に分かれて対峙する熱い人間ドラマも素晴らしい。こんなに面白い法廷ミステリはスコット・トゥローの初期作品以来かもしれない。未訳もいくつかあるので、この作家から目が離せない。★★★★★2021/08/10

タツ フカガワ

114
高級住宅地で起きた女性の殺人事件。捜査にあたった刑事マックスは被害者の夫で弁護士のベンに疑惑の目を向けるが、彼にはアリバイがあった。まもなく決定的な目撃証言を得たマックスだが、ベンはマックスの親友でもあるボーディに弁護を依頼する。『償いの雪が降る』でジョーとライラの命を救ったマックスとボーディを主人公とした法廷ミステリーで、「第三部 公判」は頭がクラクラするような展開が圧巻! これで3作目のA・エスケンスいまだハズレなし、というよりすべてが圧倒的な面白さです。邦題もうまいな。2024/03/08

のぶ

104
殺人事件と法廷劇が融合していて、読ませる作品だった。本作の主人公は市警刑事のマックス・ルパートと大学のロースクール教授のボーディ・サンデン。高級住宅街で女性が殺害される事件から物語は始まる。殺されたのは刑事弁護士、ベン・プルイットの妻のジェネヴィエヴ。疑いはプルイットにかけられる。プルイットは元弁護士で大学教授のボーディに潔白を証明してくれと依頼した。話はこの二人が法廷で対峙するところが読ませどころ。法廷場面は終盤で、いろいろな事実が明かされる事になる。思った以上に入り組んだ話だったが、堪能できた。2020/11/13

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