内容説明
後宮で複雑に絡み合う恋を描いた平安恋草紙。
同じ屋敷に暮らす妹に婚約者を奪われてしまった淑子。公卿である父親が勝手に決めた相手だったとはいえ、妹は恋の勝者と勝ち誇り、女房たちは腫れ物に触るような態度をとってくる。厄介な状況に疲れ果てた淑子は、家を出て、典侍として後宮で働こうと決めた。
そして月日がたち――生真面目な淑子は、愛嬌がなくて刺々しい『柊の典侍』だと煙たがられながらも、いまや後宮を仕切る立派な典侍に成長。女同士の争いが日常茶飯事な後宮で、揉め事解決になくてはならない存在になっていた。
ある日、典侍として仕事上のやりとりが多い五位の蔵人に、二人の新任者がやってくる。そのうちの一人が妹の夫となった元婚約者だと知り、憂鬱になる淑子。彼と顔を合わせないようにと願いながら、蔵人所に向かった淑子は、もう一人の新しい蔵人、源誠明と対面する。誠明は、東宮の嫡子でありながら臣籍降下した人物。宮中では難しい立場の誠明だが、なぜか淑子のことをよく知っている様子。そのうえ、誠明は唐突な言葉を淑子に告げた。私と、結婚してください――。
後宮を舞台に複雑に絡みあう恋を描く、深山くのえの平安恋草紙!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
69
主要キャラはガラッとかわっているけれど「かんなり草紙」の1,2年後のお話なので前作と登場猫は同じ。この物語の父親や妹もロクデナシ風味ですね。2021/06/09
しゅてふぁん
56
今作は珍しく姐御肌の女房淑子が主人公。お相手は複雑な立場にある冷静で堅物な貴公子誠明。誠明を守ろうと大勢の女房や元婚約者の蔵人少将を言い負かす姐御淑子は勇ましくてカッコ良かったし、帝の寵を競い合う後宮ならではの女房たちの醜い争いは読んでいて楽しかった。これは『かんなり草子』のシリーズ物なのね。読み終わるまで気がつかなかった~。前作に引き続き乾の衛士は大活躍だな。2021/03/08
はなりん
39
妹に婚約者を盗られ、後宮に女官として入る事に。揉め事の仲裁等頼られる女官になる一方、柊の典侍として揶揄されるようになる。そんな折、東宮の子息というややこしい立場の公達に突然求婚され、悩む淑子。自分の評価が低いのと、過去の事から居場所を無くしたくない思いが強く、モダモダ悩む。堅物な誠明とのやり取りが堅物同士で誠実で安心感があって何とも言えずいい!主役2人がどちらも応援したくなる人柄なのでストレスなく読める。2021/01/17
ダージリン
38
逆境をバネに、まわりから一目置かれるほどの凛とした強さを持つ淑子と、見守る様にずっと想っていた誠明のゆったり進行する恋がとても良かったです。前作とのリンクもいい♪2022/10/13
坂城 弥生
35
妹に婚約者を奪われた淑子。でも元婚約者より誠明のが誠実で幸せにしてくれそうだよ。2023/04/23
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