内容説明
「引きこもり」の高齢化、長期化が進んでおり、成人した人の引きこもり数は50万人以上といわれている。
親は子どもの将来に大きな不安抱え、引きこもってしまった子どもは、長期化すればするほど、社会復帰の道が閉ざされる、という悪循環に陥る。
本書は引きこもってしまった人を社会復帰させる支援を行っているワンステップスクール校長による活動記録である。
引きこもりが生まれる原因、社会構造を分析、そして、今できる解決方法を提案する。
第1章 「引きこもり」を救うという仕事
第2章 100万人が引きこもるという国
第3章 障害のある少年が、非行少年になるまで
第4章 自分の「天命」を見つけるまで
第5章 引きこもり支援の実際
第6章 集団生活だから立ち直れる
第7章 長いトンネルを抜けた人々
第8章 家族だからこそできること
第9章 前を向いて、未来へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水彩
16
斎藤環さんの引きこもり論は、定義を確立した、知る人ぞ知る、もはや古典。廣岡さんって方は存じ上げなかったけれど、テレビとかに出られているのね。映像で見ると迫力があるのだろう、批判も多いようだ。けれど、これぞ実践!という感じがする。今までのステレオタイプな、本人が回復するまで待ちましょう、というのは家族にとっては先の見えない不安に押しつぶされてしまう。彼のような方に具体的な策を講じていただいて、事態は動くのだと思う。少しずつ国の支援も広がってきてはいるが、踏み出さないことには動かない。2018/06/26
pulpo8
13
どんどん読み進められる面白い本。こうやって元引きこもりを(スクール卒業後に)自社に就職させたり、繋がりのある会社に就職させたりという試みをしている所があるのだと単純に驚いた。成功例ばっか、という意見もあるし、確かにもっと一人一人の事例をじっくり読んでみたいなぁ、と気にさせられる。けど、実はそこよりも大切なのは、この本に散らばった「人を助ける時の心得」「引きこもり当事者と家族への共感」そして、「過去を許すこと」人間の根本的な部分の話。いつか「助けられる側から助ける側へ…」この循環に自分も入っていけたらな。2018/05/03
Humbaba
5
親が愛情を持って接したとしても、その結果が必ずしもうまくいく訳ではない。子供の為を思えばこそ、離れるというのも必要なことがある。本人も薄々気付いていることだが、これまでの関係上がるからこそ思い切った行動を取りにくい。そのような状況を続けることは、誰のためにもならない。2017/06/03
taverna77
3
大人の引きこもり、と聞くと甘えてるんだよなぁとどうしても思ってしまうけれど、引きこもってしまった人はその人なりの事情や苦しみがあるわけで、こうして手を差し伸べる人や団体の存在は必要だと思いました。「自分を介して人と人をつなげる力のある人は、絶対に引きこもりにならない」という言葉はいい言葉ですね。けっこう核心をつくところかも。2019/05/20
うさぎ
2
理念は素晴らしいと思う。行政では不十分な支援の一つの受け皿となっている。高齢化が進む中「成人の引きこもり」は待った無しの社会問題。特に40前後の氷河期世代は親も定年しているだろうし、いつまでも自立できないのでは一家揃って共倒れになってしまう。本書の内容はあくまでスクールの紹介と活動報告的だったが、もう少し大人の引きこもりの実態と様々なケースを見てみたかった。2017/06/20
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