内容説明
後宮に災いを呼ぶ姫！？ 平安王宮ロマン！
左大臣の娘として生まれ、将来の妃として育てられた晶子。だが、添い臥しの日に東宮が急逝したことで、晶子は父親から不吉な娘とされ出家を言い渡される。家のために生きてきた今まではなんだったのか。父親にあっさりと切り捨てられ絶望した晶子は、大和国へ下り、出家した女たちが暮らす庵に移り住むことを決める。
それから十年――。俗世を捨てるには若すぎると庵に住む女たちに反対され、出家を保留にしていた晶子は、いまや地方の生活にすっかり馴染み、自然の中で健康的に暮らしている。そんなある日、鷹狩の最中だという兵部卿宮一行が、雨宿りをしたいと庵を訪れる。兵部卿宮である智平は、晶子が妃となるはずだった東宮の兄。当時のことについて話をしたいという智平に、晶子は「昔のことは忘れました」と顔を伏せるばかり。だがその晩、智平は晶子の部屋を訪れ意外な言葉を口にするのだった。
やがて、不思議な縁で都に戻ることになった晶子は、身分を隠して働く後宮で、さまざまな思惑や策謀に巻き込まれていくが……。
華麗な貴族社会を舞台にした、夢がいざなう平安ロマン！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
64
待ち焦がれた深山先生の草紙シリーズ。乾の衛士の孫猫・巽の衛士が少ない出番ながらいい仕事をした。東宮妃になるべく育てられた左大臣家の姫・晶子だが東宮に添伏する直前に東宮が身罷ってしまう。政治の駒として使えないと判断して娘の髪を切って出家させようとする父。10年後晶子が尼達と暮らす庵に鷹狩の途中で雨に降られた兵部卿宮・智平一行が立ち寄る。美しい初恋成就の物語だが、晶子の個性が弱めなのがやや寂しかったという気分で読了。2024/02/10
坂城 弥生
43
智平の執着がすごい。でも今度こそ晶子には幸せになって欲しいと思った。2024/04/21
よっち
40
左大臣の娘として生まれ、将来の妃として育てられた晶子。しかし東宮が急逝したことで、晶子は父親から不吉な娘とされ出家を言い渡される和風ファンタジー。父親にあっさりと切り捨てられ絶望し、大和国へ下り、出家した女たちが暮らす庵に移り住むことを決めた晶子。十年後、一緒に住む女たちに反対されて出家を保留していた彼女が出会った、雨宿りをしたいと訪れた兵部卿宮の智平。晶子の部屋を訪れた智平が口にしたこときっかけに、不思議な縁で彼女の運命が変わり始めて、逡巡する彼女を粘り強く口説き落としていく二人の関係が良かったですね。2024/03/07
るぴん
32
草紙シリーズ第3弾。左大臣の娘として生まれ、東宮妃になるべく育てられたが、東宮の急逝で不吉な娘と蔑まれ田舎の尼寺送りにされた晶子。結果的に教養も品もあり、田舎育ちの強さも併せ持つハイブリッド姫が誕生。ヒーローは今回も一途に晶子を想い続けた執着系の宮様。身分を隠して腹違いの妹の女房として活躍する晶子が格好良かった。乾の衛士の孫猫も大活躍。しかし深山くのえさんの描く父親って、恨みでもあるのかしらってくらい毎回クズすぎる。晶子の妹2人もクズ父に振り回された被害者だよ。今回は最後にスカッとしたので大満足♪
はなりん
28
平安後宮もの。大好きです。晶子の父はほんとにゲス野郎でした。晶子の失われた10年、智平親王が見初め執着したお陰で幸せに辿りつけそうでよかった。今上と麗景殿の女御もいい感じだし、今上と兵部卿の宮の関係も良好で、幸せな未来に繋がりそうでほっこりした。2024/05/04
