内容説明
運命の人はかつての許婚?平安後宮ロマン!
大納言だった父と母を続けて亡くし、他人に騙されて家の財産も失ってしまった沙羅。親が決めていた縁談もあっさりとなかったことにされ路頭に迷いかけた沙羅だったが、入内した従姉妹の女房として内裏に入り、今は幸せだった頃をときおり思い出しながら、梅壺で静かな日々を過ごしている。
そんなある日の夜。主が飼う猫の散歩につきあい、月明かりの中で一人ぼんやりと庭をながめていた沙羅の前に、宿直装束姿の男が現れる。親しげな様子で話しかけてくるその男は、右近少将藤原朝蔭と名乗った。その名を聞いて衝撃を受ける沙羅。それは忘れたくても忘れられなかった、かつての許婚(いいなずけ)の名前だった――。
運命に翻弄され、裏切られ、過去の悲しみの中ですべてを諦めるかのように生きてきた沙羅だったが、強引なほど沙羅との距離を詰めようとする朝蔭の態度に、いまさらと思いながらも、ゆっくりと心を開きはじめる。だが、右大臣家の姫君と朝蔭の縁談が調ったという噂を、沙羅は耳にしてしまい……。
運命の恋を描く、平安後宮ロマン!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
60
「朝蔭」という名前で俊蔭の物語(うつほ)を連想したり、家が没落したため従妹に女房として仕える羽目になってしまった「沙羅」に落窪を連想したりしながら読み終えた。一途な男と諦めが染みついた姫の組み合わせが古典的で良い。悪役の父が徹底して悪役なのも古典的で良い。「かんなり」は雷の意。「かんなり草紙」としてシリーズ化しないかなあ。2020/06/27
のんちゃん
51
時は平安。幼くして両親を失い、家も没落してしまった沙羅は、今は親戚の計らいで内裏で女房として静かな日々を送っていた。その彼女の前にある日、一人の宿直装束の男が現れる。彼は昔の許婚で沙羅の家の没落の際、縁談を反故にした家の次男だった。彼は沙羅に2度目の恋をしたと迫るが・・・。読メ相性の頁からチョイス。平安恋絵巻で先が気になり一気読み。最近、平安物にこっているが、平安物は読むとこちらまで雅な気持ちになる。でも、せっかちな私にはあのスローライフは無理だ(^^)2020/07/06
よっち
51
大納言だった父と母を続けて亡くし、親が決めていた縁談も破断になってしまった沙羅。入内した従姉妹の女房として内裏に入った彼女が、十年ぶりにかつての許嫁・右近少将藤原朝蔭と再会する平安後宮ロマン。他人に騙されて家の財産も失った忘れかけていた沙羅。再び二人で想いを育む中で明らかになってゆく右大臣家の姫君と朝蔭の縁談の噂。なかなか不憫な境遇の沙羅でしたけど、周囲を駒としてか見ない父相手に振り回されながらも、彼女と添い遂げるために戦って見事状況を覆し、取り戻してみせた朝蔭の奮闘とその結末はなかなか良かったですね。 2020/03/03
しゅてふぁん
49
不遇のヒロイン、非道な親といえば深山さん!そして大好きな平安もの。一冊でまとまっているので全体的に駆け足だったのがちょっと残念。シリーズものとして読めたら尚良かったな。2020/01/12
はなりん
35
両親を亡くし従姉妹の女御様の女房として仕える沙羅姫。ある夜宮中でかつて婚約破棄された許婚の朝陰と出会うところから始まります。10年前に沙羅の身に起こったこと、それを知らずに近づく朝陰。頑なだった沙羅の心の変化と朝陰の少々強引な押しで、夜な夜なの逢瀬で距離が近づく様子が楽しめます!表紙の絵の朝陰がちょっと大人すぎて本文のイメージと違うかなぁ。2020/03/28
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