内容説明
2009年、都内でバンクシー作とおぼしきステンシル画が見つかった。真贋判定を依頼された「万能鑑定士」の凜田莉子は、都庁に赴きその絵を鑑定。これにて一件落着かと思われたが、その場は序章に過ぎなかった――。ゴッホの真作、漢委奴国王印を巡る謎に次ぐ謎、そしてまさかの真実! 舞台は熱海、福岡、そして日本を飛び出しグアムまで! 再び帰ってきた莉子の知られざる大勝負。シリーズ最後にして最初、最大の事件に挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
160
あの凛田莉子が9年ぶりに帰ってきた。とはいえ、今回は時系列をシリーズ当初の1年前に巻き戻した設定となっている。万能鑑定士の看板を掲げてまだ間もないヒロインが、バンクシーやゴッホの作品、国宝の金印を巡り、狡猾な窃盗団と渡り合う。天然系ヒロインの初々しい魅力に加え、『グアムの探偵』とのコラボをはじめとした、サービス精神溢れるコミカルな趣向の数々・・。徹頭徹尾楽しめること間違いなしだ。それにしても、驚異的なペースで作品を発表し続ける天才・松岡圭祐の頭には、いったいどれだけのアイデアが詰まっているのだろうか。2021/09/08
Yunemo
89
この作品必要だったのかな、との素朴な疑問。シリーズ最後にして最初、最大の事件。この謳い文句にも何だかなぁ、との想いに駆られてしまって。2009年、凜田莉子が22歳、自分の鑑定に疑心暗鬼な、揺れ動く葛藤の様子、ほんとに初々しさを強調して描かれてます。バンクシー作品、漢委奴国王印、ゴッホの絵とそれぞれの繋がりの中で得意の推理が徐々に確信に向かっていく表現には、やっぱりこれが真髄との想いを強くして。わざわざグアムの探偵とコラボすることもなかったのにな、との消極意見も。当初のジョークじゃないジョークには含み笑い。2020/08/15
のいじぃ
88
読了。Kindle版。バンクシーの名前に誘われてシリーズ初読み。次から次へと起こる問題に翻弄されていく流れは面白いと思ったものの、2時間ドラマのように分かりやすい脇役たちの性格やヒロインを何かと持ち上げていることが途中から読んでいてしんどくなった。作中で自らも触れているのに執拗に繰り返されるそれは作者にとっては何の意味があるのだろう?彼女も謙虚と見せかけてホテルのはちみつを「鑑定」して知識をひけらかしてる姿は天才とは違う姿に映る。畳のトリックも少々荒っぽく、バンクシーを利用した最後の贈り物も夢小説のよう。2020/07/29
hiro
84
このシリーズは『万能鑑定士Qの最終巻』で終わったと思っていたが、版元も角川に戻ったこの0は、莉子がまだ万能鑑定士として自信が持てない頃の話。『探偵の鑑定』ではとんでもない危ない目に遭った莉子だが、まだ無防備な莉子を助けるのはあのグアムの探偵たちだ。これで松岡作品の主だった主人公は、このシリーズで莉子と顔を合わせたようだ。この後にモナ・リザやムンクも鑑定する莉子が、今回鑑定するはバンクシー、ゴッホ、そして国宝の漢委奴国王印。さて莉子はレイの助けを借りて、万能鑑定士して自信をつけることができるのだろうか。 2020/11/21
さばかん
75
0(ゼロ)が出るなんて聞いてないんですけど!? って本屋で見つけて思わず呟いてしまった。 沖縄の名もなき少女が、万能鑑定「士」になるまでの物語。 国を跨いでの東奔西走。 万能鑑定士Qはここから始まった。2020/11/28
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