講談社文庫<br> 襲来 上

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講談社文庫
襲来 上

  • 著者名:帚木蓬生【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 講談社(2020/07発売)
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  • ISBN:9784065203743

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内容説明

安房国の港町・片海で漁師をしていた見助は、京の寺々に遊学していたという僧侶と出会う。僧はやがて日蓮と名を改め、鎌倉の松葉谷に草庵を構えて辻説法を始める。見助も鎌倉まで従い、草庵で日蓮の身の回りの世話をするようになる。その後日蓮は、他宗派への攻撃を強め「立正安国論」を唱える。幕府がこのまま邪宗を放置し法華経を用いなければ、国内の災難が続き他国からの侵略を受けると主張した。そして見助は日蓮の予言に伴い、九州の対馬に一人で赴くことになる。日蓮の目となり耳となるために。鎌倉から京の都までは陸路、京から博多さらに壱岐・対馬までは海路だ。遥か遠国の地への、見助の苦難の旅が始まった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

54
蒙古襲来物語の前に日蓮の法華経の方に興味のスイッチが入り、物語をそっちのけで読んでしまった。宗教背景や他宗教との対立をこれほどまでに分かり易く描く著者にただただ感嘆。イヤ、厳密にいえばこれは蒙古襲来物語ではなく、日蓮に心酔する見助の物語。上巻は見助が目指す対馬に到着。下巻は如何に!2020/08/19

yamatoshiuruhashi

42
「異国合戦」「蒙古来る」のような元寇の話と思って読み始めたが上巻はほとんど日蓮の話で終始。著者は日蓮宗の門徒だとうかと思うくらいに日蓮になりきったような他宗派の描き方である。この直前に読んだ本が、「逆説の日本史23」で明治の廃仏毀釈についてだっただけに、井沢元彦のこれまでの宗教論と併せて仏教物語のような受け止め方になってしまった。旧体制の宗派が堕落し異議を唱える熱心な聖職者が異議を唱える構図はどの宗教改革も同じとは言え、その物語として興味深くは読めた。「元寇」が主題だった筈と気付いた時は上巻も終わり近く。2020/10/18

白いワンコ

21
末法の世たる13世紀中盤の世相を、日蓮とその下男(と作中では言わないが)見助の視点から通観していきます。天変地異頻発するなか、「南無妙法蓮華経」のお題目のみで全て解決してしまう見助はやや問題意識足らないものの、往時の各地の風俗を著したロードノベルとして読めば納得できる部分が多い。ちなみに、上巻ではまだ『襲来』されません2020/08/21

TheWho

15
鎌倉中期モンゴル帝国(元朝)が、日本に押し寄せた文永の役弘安の役、所謂蒙古襲来の悲劇を日蓮宗の開祖日蓮の命で、九州、対馬、壱岐に赴き惨劇の一部始終を体験した元漁師を主人公に描かれる上下巻の法華経の宗教哲学を織り交ぜた猛虎襲来絵巻。上巻は、房総半島安房国の片海の孤児である漁師の主人公の生い立ちと日蓮との出会い、そして日蓮の活躍と迫害が赤裸々に述べられる。日蓮は立正安国論を著し、主人公に対馬への耳目として行く事を依頼され対馬に辿り着く。次巻の展開が楽しみです。2022/12/18

のれん

13
蒙古襲来は日本史における珍しい影響力の大きい外部侵略であり、題材にも良く使われる。 今作は武士ではなく、それに関わる庶民視点で展開しており、珍しいと感じる。 軍政に民が関わるどころか接点すらない中世において、立正安国論で有名な日蓮宗に帰依した少年が国難と関わるという点も、作者の取材視点が光る点であろう。 しかし、そのおかげか日蓮を非常に美化というか、超人然と描写している所が気になる。また歴史上の動きをマルクス主義的教科書然とした説明を台詞で行ってしまう所は残念。 こういう部分は大河的に避けられないのか。2021/06/06

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