内容説明
地政学とは、地理的な条件から諸国間の関係を考える学問であるが、国内の権力闘争の歴史を説明するのにも応用できる。日本というのは、どういう国か? 外国軍が日本の本土を占領するのは至難だった。日本の重点は、西から東へ移っていった。気候変動によって東西の力関係は左右された。徳川幕府は、海を押さえられて衰退した。日本の半島進出は、地政学上のセオリーだった。―歴史のポイントをつかめれば、この国のあるべき姿も見えてくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
13
地政学が中々素人が手を出せない学問だ。 軍事で避けては通れないが、その科学的視点と為政者の歴史を重ねることは容易ではないからだ。 本著では、日本古代から現代までのおおまかな対外戦争の理屈を説く手段として使っており、かなり読みやすいと言える。 が、中世の歴史人物像は大分イメージで語っており、その後の儒教圏に対する明治時代のような断定は、かなり感情論に寄ってると感じた。 だが地形と気候が国の形と文化を決定づけるのは間違いない。それだけで人間収まらないのかもしれないが、ロジカルな姿勢は頷ける。2022/08/06
ナンさん
0
井沢元彦の著作より目から鱗では無いものの元自衛官で軍事・防衛のプロからの視点で地政学と軍活用を考慮した視点で歴史上の戦闘や政治・商業的な地理の活用がいかに成されたのかは読んで納得出来た。2020/07/01