内容説明
天正年間、ローマに派遣されることになった原マルティノ、中浦ジュリアン、千々石ミゲル、伊東祐益の四人は、イエズス会宣教師のフロイスと、ヴァリニャーノに連れられ、安土城へ向かった。織田信長は、宣教師の言うことを信じていないという祐益に、「愛というものが、どういうものか。自分を信じ、まっすぐに生きるとはどういうことか、帰ってきて、わしに語って聞かせろ」と問いかける。ドラマ「MAGI 天正遣欧少年使節」の脚本(鎌田敏夫)を元に、戦国の世を描いた書き下ろし小説。
著者等紹介
鎌田敏夫[カマタトシオ]
早稲田大学政治経済学部卒業。1972年、「飛び出せ青春」でデビュー。その後、「俺たちの旅」「金曜日の妻たちへ」「男女7人夏物語」「29歳のクリスマス」(94年、第45回芸術選奨文部大臣賞、95年、第13回向田邦子賞をダブル受賞)「里見八犬伝」「戦国自衛隊」「いこかもどろか」など、テレビドラマ、映画の脚本を数多く手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わいほす(noririn_papa)
6
70年代青春ドラマの脚本家で大好きだった鎌田さんが天正少年使節について書いた小説。もともと少年使節中心のドラマの脚本に戦国武将の生きざまを加えて小説化したそうで、ドラマは見ていないが単なるノベライズではないことは読んでいてわかる。原田マハさんは「風神雷神」で少年使節にカラバッジオを会わせたが、鎌田さんはガリレオを会わせた。ルネッサンスの時代は想像をかき立ててくれるらしい。少年たちとフェリペ2世やビアンカ王妃とのやりとりはまさに青春ドラマで、排他的なカトリックへの疑問をローマ教皇にぶつける場面は圧巻。2021/06/25