内容説明
幕府と朝廷の礼法を司る「高家」に生まれた吉良三郎義央(後の上野介)は、十三歳になり、吉良家の跡取として将軍にお目見えを願い出た。三郎は無事跡取りとして認められたが、大名たちに不穏な動きが──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
88
シリーズ1作目 2020.03発行。字の大きさは…小。 赤穂浪士の討ち入りで有名な高家・吉良上野介義央(よしなか)の若き日の物語です。 鎌倉以来の名門吉良家当主の父・吉良左近衛少将義冬(よしふゆ)から厳しく学問と武術を学び、高家旗本四千石の跡継として成長して行く、吉良三郎(幼名)の成長の様を書いています。 三郎は、高家こそ、武士の鑑。武家を導く者であると、父・義冬から厳しく育てられます。高家の役目は、礼法を司ることであるが、礼は武と表裏の関係にあると。🌸続く→ 2021/03/30
とし
73
高家表裏譚「跡継」1 巻。吉良上野介といえば、浅野家を断絶に追い込んだ悪人敵役で有名ですが、物語の主人公とは面白いですね。2020/10/21
RASCAL
20
なるほど、若き日の吉良上野介ですか。江戸幕府は基本的には軍事政権。それが平和になってしまったものだから、武官をそのまま行政官僚に起用することになり、適材不適所、不文律やしきたりだらけでかくも非効率な組織ができあがってしまった。高コストで支給される扶持では足りないから賄賂を取る。高家の存在意義はその武家社会の行政組織の非効率さにあるってことかな。人形浄瑠璃で悪役に仕立てられた吉良上野介の目線での事件の顛末ということになるのでしょうか。面白いです。2021/05/05
Atsushi Kobayashi
16
誰しも若いときがあるので、そこに着目!というのはいいですね。
蕭白
8
赤穂事件の吉良氏が主人公。どんなお話に仕上げてもらえるのか、楽しみです。2020/04/08