源氏物語 A・ウェイリー版第4巻

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源氏物語 A・ウェイリー版第4巻

  • ISBN:9784865282009

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内容説明

この「源氏物語」は一千年前に書かれた過去の作品ではなかった。
一千年もの未来からやって来た未知の傑作だったのだ。(高橋源一郎)

音楽的でくきやかな文体に酔いました。(小池昌代)

『源氏物語』の面白さは「宇治十帖」にこそ潜んでいる。
近代文学が我々の“The Tale of Genji”に辿り着き、
「夢浮橋」を渡り終えるまで九百年かかったのである。(辻原登)

都を離れた宇治に世を過ごす姉妹アゲマキとコゼリ。
ゲンジの息子カオルと孫ニオウは幼なじみだが、
ともに姉妹に惹かれ、恋い焦がれるライヴァルだった。
恋するアゲマキが亡くなり、思いのゆくえを失ったカオルの前に、
生き写しとしか思えない女性ウキフネが現われる。
カオルはアゲマキの影を追い、ニオウはコゼリがありながらウキフネに言い寄る。
二人のあいだで揺れ、思い詰めるウキフネ。

光り輝くプリンス・ゲンジがこの世を去ったのち、
とどまらぬ時の流れが引き寄せた物語は切ないクライマックスへと向かう──。


時代を超え、文化を超えて読者を魅了し続けてきた世界文学の傑作・源氏物語。アーサー・ウェイリーの名訳で新たによみがえった物語がいよいよ完結。切なさと感動の第4巻。
ゲンジの、ユウギリの、トウノチュウジョウの、ムラサキの、ロクジョウの、アカシの、
数多の人物が織りなす情熱と運命の物語がついに幕を下ろします。
「宇治十帖」後半を収録。和歌一覧に加え、特別付録も収めます。

目次

〈目次〉
早蕨
宿木
東屋
浮舟
蜻蛉
手習
夢浮橋

和歌一覧
この美しい世界 レディ・ムラサキの完璧さ ヴァージニア・ウルフ
訳者あとがき
プレミアムクラスの『源氏物語』 阿部公彦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

79
1ヶ月半を費やして全四巻読了。分かりやすく 且つ味わい深く、楽しめました。「源氏物語」の現代語訳の可能性が広いことを感じた。感想……?2021/10/31

アキ

61
紫式部とアーサー・ウェイリーと毬矢まりえ・森山恵の化学反応で生み出された新たな源氏物語。とても読みやすくヴィクトリア王朝風でシェークスピアと並び称されてもおかしくない程。宇治十帖の終わり方は東洋の絵巻物の棚引く雲のようだとウエイリーが絶賛している。現代の作家であれば作品へのコメントもあるが、式部はどんな風にその後を考えていたのかな?浮舟から夢浮橋は頁を繰るのももどかしい程。4巻で2760頁。クリムトの絵の装幀も美しい。レヴィ・ストロースもユルスナールもムラサキシキブに魅せられたのは天才ウェイリーのお陰です2019/10/13

らぱん

54
「早蕨」から「夢浮橋」まで。2800頁の読了に達成感と喪失感を同時に味わう。どっぷりと物語世界にハマっていた。知ってはいたものの、ここで終わるのかという自分の前のめりの姿勢に「明暗」を思い出した。こちらの顛末はおよそ想像できるしそれを書かないところに余韻や味わいがあるとは思うのだけれども。 それにしても、カタカナの名前や役職、西洋のものに置き換えられる様々なものなど斬新で面白かったし、明快で明瞭な文体もまた読みやすかった。おかげで宇治十帖の重要度を再認識させてもらった。新しい源氏物語をかなり楽しめた。↓2020/08/17

みつ

24
いよいよ最終巻。宇治十帖の4帖目『早蕨』から。主要登場人物は薫、匂宮、コゼリ(宇治の中君)、浮舟の4人に絞られ、彼らの心理の綾が詳細に描かれる。とりわけ薫と匂宮の二人に愛される浮舟の懊悩は、第3巻のアゲマキ(大君)に似つつも、さらに陰翳を帯び、物語の最後を飾るヒロインに相応しい。彼女の選択した行動とその後の展開は、近代的な心理小説と呪術性を帯びた王朝物語が絶妙に混じり合う。余韻嫋々の終結まで、千年の時代と2つの国籍を結ぶ読書の歓びを堪能できた。英訳と日本語への戻し訳、両方の訳者に感謝の他はない。➡️2022/08/18

かふ

22
マルケス『百年の孤独』が話題だけど、『源氏物語』はさしずめ「千年の孤独」だろうか。だれも幸福になれない物語。この4巻は登場人物関係図が付いていたり、巻末の和歌をまとめてあったり、ヴァージニア・ウルフの書評が出ていたりとお得感があります。装丁のクリムトの絵も良かった。匂宮と薫は光源氏のドンファンの姿と政治的な冷暖さをそれぞれ描いているようで、俵万智が情熱的な匂宮に惹かれるというのがそうなのかなと思った。どちらかというと薫タイプかもと考える男子は多いかも。釣った魚に餌を与えない冷酷な男という(俵万智の解説)。2024/07/04

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