内容説明
徹夜で読了しました(瀬戸内寂聴)
まるで「ベルばら」の王朝ロマン(斎藤美奈子)
明石の地に流されていたシャイニング・プリンス、ゲンジの運命は一転!
我が子をエンペラーに昇らせ、恋人たちを建てたばかりの新御殿に住まわせ、我が世の春を謳歌する!
100年前、ヨーロッパ中を夢中にさせたアーサー・ウェイリーの名訳を、再び現代語に訳し戻したとき、
蘇ったのは、恋に生き、愛に涙する女性たち、運命の変転と格闘する男性たちの生々しいまでのドラマだった。
大好評、話題のウェイリー版源氏物語、第2巻刊行!
巻末に瀬戸内寂聴さんのエッセイを収録。
現代語訳全10巻に人生をかけて取り組んだときから遠い昔、
女学生時代の寂聴さんの、ウェイリー版源氏物語とのエピソードを明かしてくださいました。
和歌表記監修:藤井貞和
目次
〈目次〉
澪標
蓬生
関屋
絵合
松風
薄雲
朝顔
乙女
玉鬘
初音
胡蝶
螢
常夏
篝火
野分
行幸
藤袴
真木柱
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
82
第二巻を読んでいる中で、「分かりやすい。物語の全貌や、特に人間関係が掴みやすい。が、原文の味わいじゃないが、十二単のように錯綜した、微妙な表現の妙味が薄らいでいると感じる。何処かストーリーを追っているような。翻訳者は作家じゃなのだろう。訳者は二人で評論家・俳人と詩人のコンビらしい。物語に仕立てる技術が足りないのか、英語の原文がそうなのだから仕方ないのか。割り切って訳している結果なのかもしれない。あるいは、つい先日、中西進氏の白楽天絡みの本を読んだから、猶更感じるのかもしれない」などとメモった。2021/10/15
らぱん
56
「澪標」から「真木柱」までで流謫を解かれた源氏が都へ帰還してからの28歳から38歳で名声も権力も握った男盛りの10年間だ。1巻でも感じたのだが、心情が丁寧に描かれることでそれぞれの人物も生き生きとしており、それ以上に源氏という人物が鮮明に浮かび上がる。全体の構造としても立体感がある。外国人であることが日本的な制約から自由であるのかもしれない。建物や庭の描写が気に入っているのだが、今回は新築する邸のおかげでなおさら良かった。また他の現代語訳では記憶がないのだが、「蛍」の帖で源氏は物語論を展開している。↓2020/08/04
南北
51
「澪標」から「真木柱」まで。須磨から帰還後、順風満帆なゲンジの様子が続く。パヴィリオンやエクソシスト・議会が出てくるエキゾチックな源氏物語が堪能できるだけでなく、登場人物たちの心情が鮮やかに描き出されているので、源氏物語を巧みに「異化」しているところが特徴といえる。谷崎の新々訳を時々見ながら読み進めたが、他の方の和訳の比べながら読むのも楽しいと思う。2021/10/02
アキ
38
源氏物語全4巻の第2巻。ゲンジが明石から京に戻り再び栄華の時を迎える。息子夕霧が元服し時代は移る。ゲンジは33歳で宮廷では大御所。かつて愛した女の娘タマカズラを庇護し自分の手元に。ゲンジを中心にした女たちの物語。なかでも小説についての式部の考察が興味深い。元々古語の源氏物語を現代語訳してるので、英訳からの方が理解しやすい。絵合の巻がお気に入りだが the picture competitionという副題。この本は訳者が秀逸。4巻終えたら、次に角田光代訳、瀬戸内寂聴訳の順で読みたい。因みに解説は瀬戸内寂聴。2019/01/01
マカロニ マカロン
27
個人の感想です:B+。源氏物語の読書会用に読む。最初「エンペラー・スザク」とか「レディ・コキデン」にめっちゃ違和感だったが、その内法則に慣れると、むしろ人名に難しい漢字がなく読みやすく感じた。また原注の数を最小限にするため、本文の中に説明を混ぜてあるのでわかりやすい面もある。ウェイリー版の出版は1925年というが、その時代に独学で源氏を解釈できるまでの日本語力をもっていたのは素晴らしい。私にとっては千年前の原文より、100年前の英語訳の日本語訳の方が読み物としてしっくりくるのも不思議な気がする2024/04/29
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