創元SF文庫<br> マーダーボット・ダイアリー 下

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創元SF文庫
マーダーボット・ダイアリー 下

  • ISBN:9784488780029

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内容説明

プリザベーション補助隊の事件をきっかけに保険会社の業務を離れた“弊機”は、強化人間を装いながら自らの大量殺人事件の真相を求め、企業リムを旅する。なぜかトラブルに巻きこまれどおしの弊機は、出会う人間たちの行動に苛立ちながらも、しだいに芽生えてくるさまざまな感情に戸惑う。そんな中で、人類の宇宙進出以前に存在した異星文明の遺物をひそかに発掘・独占しようとしている悪徳企業グレイクリス社の策動が浮かび上がる。弊機はメンサー博士のため、惑星ミルーのテラフォーム施設に潜入を試みるが、そこにはまたしても未知の危険が!/解説=渡邊利道

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fukumasagami

113
人型警備ユニットの”弊機”はハッキングによる暴走で人間を殺した過去を持ちながら、統制する機構から自らを切り離し、自立して行動できる自由を得ていた。自らの暴走行為の調査の後、向かったのは、自分を買い取ったメンサー博士の敵対企業の陰謀の証拠を掴むこと。警備ユニットであることを隠しながら探索を続けるがー。監視システムへのハッキングを難なくやり遂げ、自分の足跡を消しながら、周囲を欺く姿は、ほとんど最強。恐れられるのも無理はない。そして行動原理は「人を助けるようプログラムさえている」から。しびれる。2021/04/20

buchipanda3

112
自らのハッキングにより管理下から解放されたボットとなり、さらには良き友人?!の助けで強化人間のような姿になった主人公は、警備コンサルタントと名乗りながら行動する。外面だけでなく内面も人間らしさが見えてきて、特に仲間の人型ボットのミキに対する感情はそのもの。クローン人間の有機組織で部分的に構成されているボットの存在をどう見るのか問われている気もした。マーダーボットは周りから恐れられる存在としか見られていなかった。しかし、メンサーが恐れずに愚行と指摘してくれた時の揺らぎが印象的。そんなボットの活躍はまだ続く。2021/10/08

Panzer Leader

107
人と付き合うのは苦手なのに、自分が守ると決めたらどんな困難が待ち受けていようともボロボロになろうとも、その人を守り切る。「いよっ、漢だねえ」(性別は女性らしいけど)と声を掛けたくなる警備ユニットの弊機。お気に入りさんが指摘した通り正にSF版グレイマン、面白くない訳がない。「まあ、どうしても必要なら、抱き締めてもらってもかまいません」ってセリフも痺れるねえ。あー、満足満足。夏には長編も控えてるらしいが、これはちゃんと出版するよねえ創元社さん。2020/04/16

くたくた

98
命の選択を迫られるような緊迫した場面で思い浮かぶ、絶対に失いたくないものが、“自由や無制限のダウンロードや、『太陽の島々の物語』の新作エピソードなど。”って引きこもりニートの青年の主張みたいで、このギャップに萌える。人間由来の脳神経や人体組織を持ったハイブリッドロボットもしくはサイボーグ?が存在するのは、高度な判断は人間の脳が必要ってことなのかな。制限が外れた思考や感情がおずおずと幅を広げて行く様子がかわいいです。それにしても本人かはっきり意識した(気持ち)が「勝ちたい」てところがやっぱり人間だなあと。2020/01/16

なっぱaaua

94
「弊機」可愛い。上巻と合わせて4つの中編、この4編で一つの物語。人嫌いと公言している「弊機」だけどやっぱり人好きじゃん。メンサー博士をやっぱり助けたかったのよね。「人間を助けるためのプログラミング」をされているのだから。「弊機」のハッキング能力が優れていることがこの勝負の鍵だったな。プリザベーション連合での生活は?グレイクリス社の行く末は?GI社からの依頼は?等々この先も読みたい気がする。海外ものは翻訳で苦労する事が多いのですが今作は翻訳者の力量にも感謝です。面白かった。2020/03/28

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