内容説明
米国で映画化決定の北欧ミステリ!
レイキャヴィーク警察・犯罪捜査部の女性刑事フルダ・ヘルマンスドッティルは、“ガラスの天井”に出世をはばまれ、警部止まりで64歳の定年をむかえようとしていた。
ある朝フルダは、20歳も年下の上司に呼び出され、2週間後に部屋を明け渡すように言われる。フルダが担当している事件も、すでに他の者に割り振ったという。
残りの2週間、フルダに許されたのは、未解決事件の処理だった。そこでフルダは、1年前海岸で遺体で発見されたロシア人女性の再捜査を始めるのだが‥‥。フルダを悲惨な運命が襲う。
アイスランドの人気作家ラグナル・ヨナソンによるフルダ・シリーズ第1弾!
誰もが想像できない結末――読み終えてストレスがたまること請け合い(!)です。
元ワーナーブラザーズピクチャーズ(ワーナー映画)の社長グレッグ・シルバーマンが、本作(英題:The Darkness)の映画化を推進中。(2019年11月発行作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
99
アイスランド発のミステリー。定年間際64才の女性警察官フルダ。数ヶ月先のはずだったが前倒しで退職を迫られ最後に選んだのは難民申請をしていたロシア人女性の不審死亡事件だった。当初自殺で片づけられたがその杜撰な捜査にフルダは憤慨するなか次第に真相に近づいていく。そしてエピローグで…ええーっ、普通のミステリーではなかなかない展開、こんなことって…次第に時を遡って描かれる三部作らしい。彼女のことをもっと知るにはやはり続編を読まねばならぬ。2023/10/17
★Masako★
92
★★★✰︎ 初アイスランドミステリー♪女性警部・フルダ、64歳。定年退職を数ヶ月後に控えていたが突然解雇を言い渡される。最後に一花咲かせようと、ある未解決事件を解決すべく孤軍奮闘する。ガラスの天井に出世を阻まれてきた警察人生、捜査への焦り、老い、孤独感、トラウマ…彼女の心の叫びが伝わってくる。並行して描かれる、ある二人の目線パートが謎めいていて効果的。訳も読みやすく一気に読めた。ラストにはびっくり! こんな結末になるなんて…シリーズ1作目。2、3作目はこれから出るようだが、これ以上の衝撃味わえるかな?2020/04/23
のぶ
88
今まで読んできた、ラグナル ヨナソンの作品よりは小ぢんまりした印象を持ったが、ラストの意外性に驚いた一冊だった。主人公は64歳の女性警部、フルダ。警官として懸命に働くも、出世をはばまれ、定年を迎えようとしていた。ある朝、年下の上司から二週間後に後輩に席を明け渡すよう急に指示される。最後の事件として未解決事件を担当させるよう進言したフルダは、ロシア人女性不審死事件の単独捜査を始めた。事件の複雑さはないが、フルダの立場を思うと何か切なくなってくる。アリ・ソウルのシリーズとは違う角度で楽しめた。2020/03/08
ふう
69
北欧アイスランドのミステリー。世界一犯罪や男女の格差が少ないと言われる国でもこんなひどいことがあるのかと、小説だということを忘れてつい感情移入してしまいました。主人公は定年間近の女性警察官フルダ。解決済みとされた事件を追いながら、フルダの生い立ち、結婚生活、タイトルの意味が並行して語られていきます。事件もおぞましいけど、語られるフルダの過去も重苦しく、それでも少しは光の見える着地を期待していたのですが。帯にあるように、あまりのストレスに読まないほうが良かったかもとさえ思ってしまいました。2023/09/08
azukinako
69
64歳、定年間近な女性刑事が主人公。もう小躍りするくらいうれしい設定。第二の人生を前に彼女がどれだけ活躍するのかと軽い気持ちで読み始めたが、そんなはずはなかろうという期待を裏切らず、読み終えた今タイトルの「闇という名の娘」が重くのしかかる。ミステリー好きと名乗ってきたが、新年早々それを返上しかきゃいかんのじゃないかというラストをまだ消化できない。2020/01/06