内容説明
祇園のお茶屋「竹乃家」は開店から30年を迎えようとしていた。女将・芙佐には3人の娘がいたが、長女の明子は上京して医者になり、次女の華枝も結婚して家を出ていた。大学生の三女・稚子に芙佐は後を託すつもりだった。/出版社社長・敏子は揺れ動く心を静められずにいた。ずっと年下の編集長への想いが強まるばかりだったのだ。だが、姪の律子の存在が運命を変える。/恭子はつらい思い出を乗り越え、南禅寺での大学生との出会いをきっかけに、新たな生き甲斐を見出そうとしていた。/そしてなおみは、京都へ嫁にいくことに。──さらには、野球選手と結ばれようとする仲居の話や、作家に口説かれる芸妓の顛末など、京都に生きる女性たちの色恋がストーリーに彩を添える。都をどり、葵祭、祇園会、大文字と、季節は春から秋へ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
54
京都という舞台で演じられる人間模様に心が揺さぶられました。4人の女性の恋の行方と仲居や芸妓の結婚話など祇園ならではの事柄が紡がれています。春から秋へと移ろう季節の中で華やかに曼荼羅の如く編み上げられた物語だと思いました。2020/10/31
のびすけ
17
祇園の町に生きる女性たちの色恋事情。老舗お茶屋の女将・芙佐と娘たちのそれぞれの生き方。春の都をどり、葵祭、夏の祇園祭、大文字送り火。京都の四季折々の美しい情景と風物詩が物語を彩る。芙佐が辿ってきた人生を通して、祇園の町で脈々と受け継がれてきた日本の伝統文化の奥深さ、厳しさ、妖しさを感じた。上下巻合わせて1,000ページの目眩く恋の曼陀羅の世界に、お腹一杯。2022/05/28
そうたそ
5
★★★★★ 感想は上巻にて2023/02/18




