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内容説明
ミァハの手がかりを追ってチェチェンにやってきたトァン。示された座標をたよりに、ついにその場所へとたどり着く……。三巷文による漫画版「ハーモニー」、完結
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
26
「かつて人類には怒りが喜びが哀しみが必要だった かつて人類にはわたしがわたしであるという思い込みが必要だった 人間は絶えず「自然」を抑えこんできた 都市を築き社会を築きシステムを築いた身体を数値に置き換えた 「わたし」というものはノイズにすぎない ならば対立や逡巡 苦悩を生む厄介な機能を治癒してはならない理由はどこにあるのだろう 魂を擁護する言葉はどこにあるのだろう」読み終えて思うのは、もっと伊藤計劃の小説を読みたいという切実な、けれど叶わない願いだ。2021/07/11
ゆう
12
人間の意識は、種全体としてひとつの閉じた系へと収束した。実質的に人類滅亡エンドだろう。意識とは、脳の高性能化によって生まれた無用な副産物だろうか。それが脳の作り出す壮大な虚構、ひとつの錯覚に過ぎなかったとしても、その錯覚自体に何らかの役割が負わされていると考えるのが理に適っているように思うが、それは幸福な時代に生きる者の感想に過ぎないのだろうか。本作は「大災禍」のトラウマ深く、人間の情動に対する信頼の極端に薄い世界を描く。2025/10/25
ふりや
12
「さよなら、わたし。さよなら、たましい。もう二度と会うことはないでしょう」世界中が暴動で混乱する中、トァンは遂にミァハと対峙する。間に挟み込まれる回想シーンが悲しく切ない。個人的にこの作品は『一九八四年』と並ぶ「SF史に残る最高のバッドエンド」だと思っているのですが、そう言ってしまうには最後の情景はあまりにも美しい。4巻通して読んでみた感じは、あくまでも原作に忠実に、かつ原作のイメージを補完するような作品で、コミカライズとしては非常にクオリティが高いと思います。そして、また原作を読みたくなりました。2020/05/08
ただの猫好き
10
おすすめ度6。お疲れさまでした。読んだ後、独特の虚無感、虚脱感に陥る作品でした。漫画としては上出来なんですが、多分原作読んだら、虐殺器官の時に感じた自殺衝動を感じそう。2025/08/16
コリエル
8
完結。万物の霊長たるを主張する人類が他と隔てるために価値あるものとして掲げる意識。魂こそが社会の健全なる運営を最後に妨害するボトルネックだったとしたら。そういう思考実験小説の漫画化。完全なる調和のイメージとして曼荼羅のような伽藍の風景が描かれるが、それよりもコーカサスの峻険で凍てついた山々を見つめながら、ミァハと『わたし』というものの死を見届けるトァンの姿の切実さに胸を打たれる。2026/08/04
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