角川文庫<br> 恐怖の谷

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角川文庫
恐怖の谷

  • ISBN:9784041086223

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内容説明

ホームズのもとに届いた暗号の手紙。解読するも、時同じくして、サセックス州の小村にある館の主が殺害された!事件の背後にはモリアーティ教授の影。捜査に乗り出したホームズは、過去に事件の鍵を見出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

184
ホームズ最後の長篇は、デビュー作『緋色の研究』と同じ二部構成。前半はスリリングな謎解き、後半は一転して西部劇さながらのハードボイルドだが、あっと驚く結末は互いに共通している。見事な二重構造で、過去も現在も何度も善悪がひっくり返る。構成だけでなく物語そのものも『緋色の研究』と似かよっており、リライトと云った趣き。より巧く描ける話を思いついた、と云うことなのかもしれない。ドイルもクリスティーも大江健三郎も、以前の小説家は思いついたら躊躇なく何遍もしつこくリライトするよね。いまの作家ももっと真似したらいいのに。2023/12/09

absinthe

164
ホームズが活躍する第一部と、第一部のある人物の前日譚を描く第二部からなる。英国風の紳士たちの謎解き譚と、ハードボイルドな米国風の荒くれものたちの物語の、対比が面白く飽きさせない。absintheは第二部の方が好きなのだが。作中、一度も登場しないのに、モリアーティの存在感が凄いこと。2022/06/06

ねむ

21
シャーロック・ホームズものをちゃんとした本の形で読んだのは実はこれが初めてだったかもしれない。第一部と第二部では舞台設定も登場人物もかなり異なり、まるで2つの別の話のよう。それが最後に繋がるのがおおー、と素直にびっくりした。ただこの事件、モリアーティが裏にいるとシャーロックが言う割には、実際裏でどう糸を引いていたのかが明言されず、どこがそんなに極悪なのかわからずもやっとしたものは残る。それも含めてミステリーなのかな。いろんな世界観が一度に楽しめ、心地よい驚きがある良作。2023/02/10

めい

14
モリアーティ教授の影がチラつきはじめる。緋色の研究と同じく2部構成で、全く違った趣でとても面白い。むしろ後半の方が読み応えあります。2021/06/30

ちゃあぼう

7
長編物であるが、二部構成になっている。前半の物語の主人公の一人、ダグラス氏の敵からの脅威から守るために奔走するホームズたち。前半だけで十分に面白いのだが、作者はこれまでに至るダグラス氏のこれまでの経緯を後半部で描いている。二つの物語はまるで別の作品のように描かれていて自分としては後半の物語は描かなくても前半だけで十分に成り立つ作品だと思えた。エピローグでホームズが対決の決意を新たにした場面が今後どの様に描かれているのかが楽しみです。2022/12/03

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