内容説明
「さあ、ワトスン。出発のときだ」
“エピローグ”は、愛する英国のために。
ホームズが活躍するイギリスにも、世界大戦の不穏な予感が忍び寄る――。
隠退し、田舎で暮らしていたホームズが、最後に手がけた祖国のための一仕事とは?(「最後の挨拶」)
様々な思惑が渦巻く屋敷での奇妙な事件「ウィステリア荘」、
兄のマイクロフト・ホームズも登場、語り継がれるトリック「ブルース・パーティントン設計書」、
姿を見せない下宿人の謎「赤い輪」、
ホームズとワトソンの友情の深さが垣間見える「悪魔の足」や「瀕死の探偵」等、全7篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
189
ホームズ短篇集の四冊目は八篇を収録。途中まで読んで、やっぱり順番に読んでいこう、となって、あいだがあいてしまったが、ようやく読みおえた。「悪魔の足」と「レディ・フランシス・カーファックスの失踪」が良かった。てか怖すぎでしょ。特に後者。「瀕死の探偵」はある程度オチが予想できるものの、ワトスンとホームズが互いを気遣うさまにニンマリ。「最後の挨拶」は第一次世界大戦を背景にしたスパイ物で、プロパガンダ色強めで、こういうのもあるのね、というかんじだが、ホームズが探偵稼業から隠退したあとの暮らしも垣間見えて愉しい。2023/12/06
タツ フカガワ
42
久しぶりにホームズの兄マイクロフトが登場する機密文書漏えい事件「ブルース・バーティントン設計書」、恐怖に歪んだ表情のまま死んでいく「悪魔の足」、ホームズが東洋の奇病に感染して死線をさまよう「瀕死の探偵」、そして探偵業から引退したホームズの第一次大戦前夜の活躍「最後の挨拶」など、全7話は趣向豊かで、どれも面白かった。2021/10/29
くさてる
25
ミステリと言いつつも、じつはなかなかトンデモな話もあるホームズなのだけど(この短編集では「悪魔の足」)それも含めて楽しめるからこその名探偵なのです。ワトソンとの絆がしっかり固まっているのも楽しい。名探偵の静かな退場にふさわしい「最後の挨拶」がいちばん好きです。2022/03/19
ココノビエガク
12
『帰還』をすっ飛ばしての読了。駒月先生の訳は本当に読みやすい。内容に関して今さら述べる事は何もない。やはりホームズは個人的に不動の名探偵であると実感するばかり。人生で最初に読んだ推理小説であり、駒月先生の訳で再読となる。初読の頃にはホームズの活躍にばかり目が行っていたが、ワトスンの存在の大きさや二人の友情・信頼が、こんなにも活き活きと書かれていたことに改めて気が付いた。歳を経て養蜂業を営むホームズも、そのうち読んでみたい。2018/08/02
キキ
9
ホームズシリーズ遂に完結!最後まで見事な解決っぷりでした。「瀕死の探偵」の章は私もすっかり騙されました。全シリーズ読破できて、達成感でいっぱいです(笑)2020/08/06