内容説明
祝祭的な宇宙＝世界を司る道化とは何者か？ 「道化は、日常語に属する等身大の思想に対しては、その本来の姿を現さない。……彼は真昼間の世界では錯乱を装い、黒い仮面を通して闇の世界から出現する何者かであったのだ」……近代社会の単一価値的で現実的・合理主義的な世界に、異端として現れる豊饒な存在者を、実例的に分析する、不朽の名著。道化こそが、この一義的で硬直した世界を、哄笑によって救済する！
感想・レビュー
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ネムル
2
フェリーニ、モーツァルト、琉球芝居などからみる道化論のさっくりした読み物。映画者なのであとベルイマン、ヘルツォーク、ルノワールなんぞの項を楽しく読んだ。「ふつうの人は中途半端な「撲り役」に回るために一生懸命立身出世の道に励みます。～でも「撲られ役」というのは弾力性なき日常生活という名の共犯関係を相対化する最初の一歩ですから、祝祭的知を目ざすものは、「撲らせる」ためのさまざまな技術を情熱を込めて探求すべきではないかと思うのです」2013/04/29
