内容説明
林真理子が描く『風と共に去りぬ』第一巻!
〈小説『風と共に去りぬ』を読んだことがあるだろうか。私を作家へと導いてくれた小説である〉――自身の「原点」と語るあの名作を、ヒロイン、スカーレット・オハラの一人称小説として林真理子が鮮やかにポップに現代に甦らせた!
南北戦争時代の米国ジョージア州。「このあたりいちばんの美人」ということになっているスカーレットは、わがままでうぬぼれやで思慮浅く、華やかなドレスとパーティー、そして男の子たちにちやほやされるのが大好き。「他の娘の恋人を奪うのが趣味」だと、まわりの女子どころか実の妹にまで嫌われている。
そんな史上最強のヒロインの波瀾万丈な人生。恋あり、三角関係あり、冒険あり。最高に面白い、待望の第1巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
202
林 真理子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。新作は林真理子版新訳『風と共に去りぬ』でした。帯の大胆超訳というほどは、意訳していない気がします。続いて直ぐに2巻を読みたいですが、2巻は来春と半年も間が開くのは納得がいきません。せめて1巻のボリューム(169頁)を倍にして欲しかった。本作は全何巻構想なのでしょうか?2019/11/24
ちょろこ
116
林さん版「風と共に去りぬ」の一冊。読みやすかった。女子の心理を描くのがほんとうに巧いし、ひきこまれる。一言で言うと、スカーレットは嫌な女子。自己中、男子は皆、自分を中心に取り巻いている…そう、典型的な女子に嫌われる女子だ。しかも超プラス思考。ここはある意味うらやましい。そして飾らない心理描写も時には清々しい。そんな彼女が人生最大の屈辱から選んだ道。まさにジェットコ-スタ-ような展開に目が点。南北戦争、一面の綿花畑、奴隷制度ももっと知りたくなる。そしてこの先、どんな人生を歩んで行くのか、気になる。2019/11/26
sayuri
115
マーガレット・ミッチェルの名作『風と共に去りぬ』を林真理子さんが一人称小説にアレンジした作品。カタカナの登場人物の名前が覚えられなくて翻訳物は避けていたけれど、本作は大丈夫だった。物語の舞台は南北戦争時代のアメリカ。戦争なんて物には一切関心がなく興味は華やかなドレスとパーティー&男子にモテる事。周りの女性達からどれだけ嫌われようがおかまいなし。ヒロイン・スカーレットの言動が突き抜け過ぎていて、それが面白い。我儘でプライドが高くてまだ若干16歳のスカーレットだが、1巻から既に波乱万丈。今後の展開が楽しみだ。2020/01/11
いこ
89
「風と共に去りぬ」は、私のバイブル本。最早何回読み返したか分からない程。私の愛読本は、大久保訳の新潮文庫。現在は、新潮も岩波も新訳版を発売している。新潮の鴻巣友季子訳も岩波の荒このみ訳も全巻読んだが、やはり私は大久保訳が最高だと思う。林真理子さん訳の本書はその次に好き。愛読本はアリ位の文字がびっしりで365頁。一方こちらは、大きな文字でたった169頁。でも、私の本の284頁分まで進んでいる。内容も忠実。読み易く、入門書としても素晴らしいと思う。今は「我儘女スカーレット!」の人も 最後にはきっと好きになる!2020/02/11
ann
54
「風と共に去りぬ」をバイブルにしてきた林真理子氏の、思いの丈を託されて生き生きと 一人称で語るスカーレットが、コケットで本当にかわいい。名作はどう訳しても揺るがない魅力に溢れてる。次巻も早速。2020/02/25