内容説明
夫はなぜ消えたのか? 突然の失踪を契機に、前妻、娘、老母、再婚した妻、孤立していた4人の女の心は、微妙に波立つ。男を失うことで呼び醒まされる、女としての官能。体の内奥に潜むエロスが、しだいに女たちの心を結びつけ、不思議な絆と連帯感を生んでゆく。女の生と性、愛のかたちを精緻に描く、髙樹文学の真髄。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
33
読中に時間が空いたからかもしれないけど、あまりピンとこなかった。最終章の百合っぽいシーンとかよかったけどねえ~2016/01/07
ゆき
0
失踪したオトコをめぐってのそれぞれの自分探し。会話が全てかぎ括弧がないので読みづらかった2009/12/23
あうあう
0
1人の男の失踪によって、前妻、娘、母、再婚した妻の世界は少しずつ変わり、次第に夢と現実の区別を失ってゆく。男はそもそも存在したのか。娘という存在があっても、それは確信できない。現実でも、父子のつながりは母子のつながりより頼りない。 女は世界に肉薄しているという印象を受けた。2018/09/19