内容説明
過去を想い、今を生き、明日を掴む。
人造の豊穣神・ユグドラシルによって、人類が地上を追われた終末世界で小型ヘリ<静かなる女王号>を操るヤブサメとモズ。
大阪にタワー級の樹竜が出現したとの情報を聞き、新たな稼ぎを求めて向かう二人。泥炭を身に纏うタワー級は不気味なまでの沈黙を続け、市民は観光業を中心とした好景気に沸いていた。
しかし、それはつかの間の凪にすぎなかった。
突如北上を始め、まき散らされた泥炭により広がる火災旋風。「大崩壊」以後、最悪クラスの災禍を前に、ヤブサメとモズはタワー級へと立ち向かう。
鋼の翼と意志の物語、第三幕。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
29
大阪にタワー級の樹竜が出現したとの情報を聞き、新たな稼ぎを求めて向かうヤブサメとモズ。その泥炭を身に纏うタワー級が突如北上を始め、最悪クラスの災禍を前にヤブサメとモズがタワー級へと立ち向かう第三弾。愛着のある場所への想いを知ってしまったからこそ、より対応が難しい大崩壊以後最悪の樹竜がもたらす災禍。その対応で足並みが揃わない人類側。様々な思いが錯綜する中で、それを乗り越えて立ち向かうハヤブサたちの熱い戦いや、女王号を整備して祈ることしかできないツバメの想い、彼を取り巻く人間関係の機微が要所で効いていました。2019/08/29
まりも
29
不気味なまでに沈黙を続けるタワー級が存在する大阪でかつてない大災害が巻き起こるシリーズ第3弾。いいねぇ。こういうワクワクが止まらない展開を見せられると、大人になってもそこにある少年の心がこれ以上ないくらいに騒ぎ出すからたまらない。怪獣モノに相応しい一大スペクタクル、その場にいる全ての人の力を総動員する王道展開、ヤブサメとモズのクレイジーでクールな師弟コンビによる最っ高のアクション。この3つが合わさりシリーズ史上最高の盛り上がりを見せてくれた。3巻目にして完全に化けた感がする。次巻も期待だ。2019/07/24
緋莢
12
今度の舞台は大阪です。タワー級の樹竜が出現し、羽曳野一帯を花畑に。しかし、その樹竜は出現から二週間、ピクリとも動かず、新たな観光名所になっています。ヤブサメとモズは観光ヘリパイロットのバイトをして…というのが導入部分。勿論、樹竜がずっと動かないなんて事はなく、一度、動き出せば、身にまとった泥炭による大規模な火災旋風が襲いかかってきます。前巻ほとんど無かった、ヘリコプター対樹竜のアクションシーンが今巻は満載。ヤブサメとモズのコンビプレーは凄いながらも樹竜の攻撃はさらに強力のため、読みながら手に汗握りました。2019/11/06
のれん
12
今までで一番良かった。 モブがキャラ立っていて、変わった世界でまた懸命に生きる姿がこれまで以上に世界観を映していた。それでいて過去最大のピンチ感が、従来の盛り上げを引っ張る構成を引き立てている。 ツバメやツミの展開はそれぞれ幼馴染と敗北した悪役のテンプレなんだけど、なんだかんだ熱くなるし、構成の盛り上げには間違いなく必要だった。 いよいよ主人公の目的に直結する情報も出てきたし、真相へと進む新章来るか? モズとのバディ感の変化も欲しいところだがい次巻は如何か。 2019/07/22
すがはら
11
タワー級凄すぎる。登場する樹竜の能力が毎回上がってきていて、次はもう勝てる気がしないのですが、それでも女王号の二人は闘志を失わないのでしょうね。今回のモズ船長は格好いい部分ばかりで、意外なことに報酬もちゃんと借金返済に回したなんて、これは何の予兆でしょうか?次からちょっと新展開っぽいのですが、割りと真剣に文明論っぽくなる感じが結構気に入っています。2019/08/10