内容説明
兄・信康の切腹は、郁姫の心に深い傷を残した。なんとかこれまで通りの生活を送っていられるのは、守り役・健士郎が献身的に仕えてくれているから。しかし、その健士郎が兄の死に深く関与していた事実はどうしても許せなかった――。そんな郁姫に織田信長のもとへ使者として出向くよう、父・家康からの命令が下る。遅咲きの桃が咲き誇る琵琶湖畔の山中で、鷹狩りに出かけていた信長と偶然の対面を果たす郁姫と健士郎。だが、その直後、郁姫が何者かに拉致され、行方不明になってしまった！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
29
唯一、愛情の欠片を与えていてくれた兄信康の自害を知り心の均衡を崩す郁。現代で健士郎と息ぴったりの相棒やってる「郁巳」を知っているからこそ、不思議な力を持っているからとして姫として性別を隠され、好奇と嫌悪の視線に貫かれ、挙句死んだはずの最愛の兄との奇跡の再会も束の間、男であると分かるなりその兄からも激しく憎悪され容赦ない仕打ちを受ける過酷過ぎる運命に、そりゃもう健士郎でなくても何とかして幼い彼を助けたくなる。そして見事に美味しいところを掻っ攫っていく信長様、当時の自分には強烈すぎて記憶から抜けてた模様(笑)2020/05/23
punto
0
追記。2008/03/08
