集英社コバルト文庫 野郎！ 戦国のヴァンパイア＜参＞（スーパーファンタジー文庫）

著者名：花衣沙久羅【著】/里中守【イラストレーター】

集英社（2019/07発売）

• ISBN：9784086132039

内容説明

水月と藤林長門が同一人物!?　兄・信康を連れ帰ると宣言し、藤林の屋敷へと戻っていった郁姫を追って、伊賀の山中に踏み込んだ健士郎。そこで出会った少女・楓は水月の娘だという。そして、彼女の話からさらに驚くべき事実が明らかになる……。一方、自らの意志で再び囚われの身となった郁姫は、すべてを捧げて仕えたい、と信康に申し出る。だが、彼のゆがんだ心はどうしても癒されることはなかった。藤林のためにその肉体で織田信長を籠絡せよ――これが郁姫に与えられた命令だった！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[カナン]

「心が強くなる愛され方　したい」。凶星の印の下に生まれた郁姫の試練は齢十に満たない少年を嵐のように襲う。成長と共に性別は誤魔化し難くなってくるし、吸血族の動きは不穏極まりなく、スパイも裏切りもてんこ盛りで、もし完全にシリアスモードで攻めてる時の作者の文体で書かれてたら幾つもの悲恋と破滅にめげそう。慣用句のうっかりミスと90年代独特のポップさで結構救われてる。光秀のターンは信長の最期を思うと結局互いの「答え」が何だったのか考えてしまうけれど、現代の「あれ」に辿り着くまでの郁巳の成長期、もっと知りたかったな。

2020/05/25

[punto]

追記。

2008/04/08