内容説明
「あれは私を、両親に代わって愛でてくれた男だ」彼方をなつかしむ静かな声で郁巳が語りだす――。時は戦国、織田信長の天下統一が軌道に乗り始めた頃。徳川家康と正室・築山御前の間に生まれた二人目の姫君・郁姫は五歳。歳に似合わぬ知性と美貌に加え、特殊な霊力まで備えた巫女姫だった。それゆえに近寄る者もなく、兄の信康を唯一の心の支えに暮らしていた。だが、信康の邪な心に気付いた後見役の酒井忠次は、姫の護衛兼守り役をある人物に依頼する。それが酒井健士郎だった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
25
「A!」で西暦2020年に始まった物語の続きが天正4年ってあり? はい、花衣ワールドならあるのです。巻末の参考文献の表題が既に40を余裕で超えているのも、描き出したら止まれない花衣作品なら仕方ない。徳川を中心に騒々しい戦国時代。その中にしれっと溶け込んでいる吸血族(ヴァンパイア)な健士郎はここで最初の奇跡に出逢う。齢五つの稚くも神懸かり的な力を持つ美しい姫巫女、郁。妖刀村正まであっさり登場しちゃって、ただでさえ慌ただしい人物相関図が結構な難問になってるけどこれ序章。まだまだ本番はこれから。さぁ駆け抜けろ!2020/05/22
カナン
10
しまった、これは同じ花衣氏の「A!」シリーズから読まないと伏線回収出来ないんだった。戦国時代から始まって現代編だろう、と思っていたら逆なんですね。現代編を読んでから戦国時代編に行ってきっちり纏まるんですね。間違えたー…。読み直し決定かなぁ。2014/08/03
punto
0
追記。2008/03/08