内容説明
91歳の生涯で1000に余る企業・学校を育成・支援した大実業家の自伝。武州深谷の百姓に生まれた少年が攘夷倒幕を志すも、あろうことか徳川家の直臣として異郷の地パリで維新を迎える羽目となり、のち明治政府を出て実業界に転じる33歳までの履歴を、円熟期を迎えた渋沢翁が、子弟に請われるまま座談のかたちで物語る。
感想・レビュー
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くす
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図書館にて。渋沢栄一が生まれ〜大蔵省退官までを物語っている。一橋公のそばにいた分、当時の情勢や事件などの情報をよく仕入れていると感じた。蛤御門の変や天狗党の話など大きな事件だったのだと改めて感じる。一方、まだ歴史的に振り返っていないためか、伊藤博文や大隈重信、井上馨などは職場の上司程度の距離感での言及が新鮮であった。井上馨の評価は書籍によって大きく変わるが、渋沢栄一からの視点はそれほどネガティブな印象はない。途中から喜作の言及が無くなったり別れの手紙(のように読めた)を送ったりと人生観が出ていた。2021/04/12