中公文庫<br> レイテ戦記(二)

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中公文庫
レイテ戦記(二)

  • 著者名:大岡昇平【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 中央公論新社(2019/07発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122065802

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内容説明

昭和十九年十一月、レイテ島最大の激戦地となるリモン峠での死闘が始まった。現地の苦戦に武藤方面軍参謀長は打切りを意見具申するが、八日の総理大臣小磯国昭の天王山発言により、レイテ戦続行は大本営方針となる。
巻末にインタビュー「『レイテ戦記』を語る」(聞き手・古屋健三)を収録。【全四巻】
(目次より)
十二 第一師団
十三 リモン峠 十一月三日―十日
十四 軍旗 昭和十九年十一月十一日―十五日
十五 第二十六師団
十六 多号作戦
十七 脊梁山脈
十八 死の谷 十一月十六日―十二月七日
十九 和号作戦
インタビュー『レイテ戦記』を語る(聞き手古屋健三)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベイス

95
日米双方厳しい様相だが、すぐに兵や武器や糧食が補充されるアメリカと、援軍もなく物量不足で米落下傘の落としたコーンビーフを食す日本との差は絶望的としか言いようがない。しかし米兵も置かれた状況はひどく、国に残した妻が知らぬ間に誰かの子を産み1日1人兵士が離婚していくというのも悲惨だ。義号天号和号の諸作戦により突入した米飛行場がすでに放棄されていてもぬけの殻というのも情報戦の拙さであって目も当てられない。戦いを放棄した「遊兵」の存在も戦場の実態であり、人間の本能的な行動であって非難されるべきものではないと思う。2023/06/06

おたま

42
第二巻では、レイテ島の北部リモン峠での激戦と、西海岸ダムラアン周辺での戦いが中心に描かれる。第一巻と同様に、日米での戦闘については、詳細を極めて描かれる。どの部隊がどこにいて、どのようにして闘いが進められたのか、死傷者の数、場合によっては個人名にまで及んで、客観的に記述されていく。決して日本軍だけが苦戦したのではない。アメリカ軍もまた厳しい戦いを迫られた。それだけ日本軍も、全体としては物量において圧倒されたとはいえ、場合によっては極めて優れた戦いをした。2023/09/20

nnpusnsn1945

41
レイテ決戦の中でも、第1師団と第26師団の視点が多い。前者の玉兵団は関東地方出身者で編成されている。都市部の部隊は弱いと思われがちであるが、通称号だけあってそれなりに強さはあったといわれている。後者の泉兵団は名古屋の部隊であり、輸送船海没の事態に見舞われ、兵員をかなり消耗したようだ。米軍とて気楽なわけではない。補給も日本軍に比べればすこぶるましであるが、十分でない所も見られたようだ。また、さりげなくフィリピン人の少年を甲府連隊所属の日本兵が防諜のため射殺したと書かれている。2023/02/18

フリウリ

17
日本軍はもちろん米軍も、通信も途絶えるなか作戦上・遂行上のエラーもあり偶然もあり、兵士は一日に百人単位で死んでいきます。しかし、いかに馬鹿げた命令であっても兵士が兵士としての務めを果たしていくことに、大岡は最大の敬意を払っています。攻撃により部隊がバラされて密林に逃げ込んだ兵士は「遊兵」と呼ばれ、これは日米両軍に認められた事象のようです。軍隊的には問題行動なのでしょうが、上下下達の樹木様組織を逃走したリゾーム様存在者が生き残って、戦後の社会を支えたであろうことを想像し、やるもんだな、と正直おもいました。92025/05/28

Book Lover Mr.Garakuta

17
【図書館】【速読】【既読】【再読】:現地軍本部から政治家の介入で、大本営所轄となり、さらなる激戦が続く。2023/04/22

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