内容説明
哲学や思想といったものを難しく考えすぎず、悩みや疑問への「処方箋」であると考えてみると、それを知ることの意味も見えてくる。「世界はどうなっているのか」といった大きな問題から、「どう生きればいいのか」という身近な問題まで、私達の人生や社会を考えるうえで、西洋哲学はとても実用的なもの。それは「困難を乗り越えるための薬」。この1冊で、西洋哲学の本当の面白さがわかる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
62
哲学と思想をざっくり学ぶ。おすすめです。感想は再読の折に改めて書き直したいと思います。2020/10/14
月讀命
46
哲学は学問の祖といわれ、物事を学ぶ為には現代の細分化された知識を習得する事ではなく、まず学問の全体を俯瞰する事が肝要で哲学を学ぶ必要がある。西洋哲学といってもソクラテスの時代から現近代のフーコーまで多くの偉大な哲学者が存在するが、おおまかに哲学史の流れを汲みとり、ざっくりと西洋哲学を鷲掴みする事が肝要。プラトン、ソクラテスの創造期、カント、ヘーゲルの成熟期、ニーチェ、ハイデガーの批判、破壊期と3つの山を掴み、体系づける事が重要だそうだ。斎藤先生はニーチェは解り易いといっているが、ツァラトストラは難しい。 2017/11/08
かわうそ
28
★★★☆☆理想主義のぶつかり合いがすなわち人同士の争いと言える。理想主義はどこから出てきたかと言えば、これは自己の全能感だろう。自己の全能感は人間の理性の過信からきたものであり、一般的に理性は争いとは無縁に思われがちだけどもむしろ、理性への全信頼的態度が自己の全能感を肥大させてそれが理想主義へと傾倒していくという流れが確かにある。理想主義というのは程々に自分の内に秘めておく限りは健康だけどもそれが他人の協力が必要なものに及ぶとこれが争いの火種となる。ある意味でヘーゲルがフランス革命を賞賛したのも頷ける。2021/11/25
楽毅
8
中々手強い西洋哲学を、お馴染みの斎藤先生がとても分かりやすく解説している。それだけでなく、若い頃に西洋哲学に傾倒したことで、思想が持つ力と現代に活かす有用性が、読み手にもよく伝わる内容になっている。自分も含めた哲学初心者にとって、深い森に入る前の良いガイドになると思う。斎藤先生の手に掛かると、どの思想家の考えもそれぞれの魅力が感じられるが、個人的には構造主義の分析が非常に印象に残った。本格的に哲学へチャレンジしてみたいと思わせる一冊です。2017/05/20
myuki
4
☆☆☆☆大変読みやすい。とっかかりとしては最適。読み終わる頃には西洋哲学というものに馴染んで本書では物足りなくなりさらに詳しく知りたいと思える。そうなるように書ける著者はすごいと思う。 別著「ざっくり!西洋思想」を文庫本化したものと最後に書いてあり、危なく「〜西洋思想」を買うところだったので、文庫本化でタイトルだけ変えたとしたら要注意。違う本と思うじゃないか。2018/02/21