講談社選書メチエ<br> 対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)

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講談社選書メチエ
対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)

  • 著者名:中沢新一【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2019/06発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062582919

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内容説明

カイエ・ソバージュここに完結。新たな知の営みへ! 神話、国家、経済、宗教、そして対称性人類学へ。「圧倒的な非対称」が支配する世界の根源を問う冒険、ここに堂々完結。抑圧された無意識の「自然」は甦るのか?「対称性の論理」が切り開く新たな世界とは?野生の思考としての仏教を媒介に、来たるべき形而上学革命への展望を示す。

目次

序 章 対称性の方へ
第1章 夢と神話と分裂症
第2章 はじめに無意識ありき
第3章 〈一〉の魔力
第4章 隠された知恵の系譜
第5章 完成された無意識――仏教(1)
第6章 原初的抑圧の彼方へ――仏教(2)
第7章 ホモサピエンスの幸福
第8章 よみがえる普遍経済学
終 章 形而上学革命への道案内

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デビっちん

19
ガーン。シリーズ全体を通して「対称性」の概念を公理にまで発展させることが中心テーマだったのですね。部分に振り回され過ぎた自分の読解力のなさに凹みました。心は、対称性論理で動くモノと非対称性論理で作動するモノの2つがバイロジカルに機能しているのです。神話的思考から導かれる、高次元性=流動性=無限性をひめた対称性無意識の働きは、形而上学化された世界の中でも発揮できることがわかりました。次は、1→5→2→3→4→5の順番で読んでみようと思います。全体像がわかったので、再読しての部分が楽しみです。2016/08/18

白義

8
危うさ欠点もそこそこあるが、レヴィ=ストロースが見出だした野生の思考の立場から、ドゥルーズやバタイユら現代思想の成果をまとめ独自の議論を展開した日本哲学最高峰のシリーズだったと思う。シリーズ全体に通底する概念として、精神と自然を潜在的次元から繋げ、まとめる対称性をキーワードに、国家、経済、宗教、芸術や人間の無意識などに切り込む総まとめ的な一冊。ロジックの哲学から、潜在的次元も含めたバイロジックの新たな哲学へ、という構想は、単純だが現代思想の本質をなかなか言い当てている気がする2012/03/30

みのくま

7
対称性を無意識とする流動的知性を抑圧する事で非対称性を基調とする形而上学革命が西欧で起こった。形而上学革命は超越性をめぐる人類の思考から一神教を生み出し、権力からは国家を、贈与経済からは資本主義を、レヴィ=ストロースのいう野生の思考からは科学を生み出した。これらは全て対称性を否定し、均衡を崩した所から発生しているのだと本書は説く。確かに本書を読むとこれらの革命は同型に感じる。また自然の奥底から権力を奪った王が法人化し、ついには主権が国民に移る事の必然や「小僧の神様」から純粋贈与についての考察は大変興味深い2025/01/03

木ハムしっぽ

7
カイエ・ソバージュ(野放図な思考の散策)最終5巻。国家、貨幣経済、一神教宗教の同相的な誕生を、首長を中心とする先住民族の組織、贈与経済、多神教宗教と対比させてきた本シリーズ。神話の中で何千年にも渡って生き続けてきた哲学、人と動物が自然界においては対等(対称性)であり、謙虚に自然と接することの重要性を説く哲学を出発点に重ねられた論考の数々。国家、貨幣、一神教の誕生過程を人類史を俯瞰する視座で考察し、対称性の重要性を説く論考は大変興味深い内容でした。対称性人類学。骨は折れるが噛みごたえのある学問でした。

shomma

7
カイエ・ソバージュ最終巻読了…。(認知)考古学が、人間の現実認識のありよう、その歴史に関する分析が、刺激的。僕たちがこれほど当然と思ってしまう心のありようが、経済、科学のありようが、単線でない歴史的産物、そして息苦しく、容易に脱出できない隘路であることが、繰り返し語られる。それは論理によって分析を加えられることなのか、「科学・数学的言説」のいいかげんな引用等について、どう考えるべきか。簡単に消化はできない。2019/05/24

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