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内容説明
代表作『神童』『マエストロ』等で文化庁メディア芸術祭優秀賞、手塚治虫文化賞を受賞した巨匠さそうあきらが、ヴィキイ・バウムの原作『バリ島物語』のコミカライズに挑みます。
物語は、約百年前の神秘の島、バリで実際に起きた王国の悲劇をベースにしています。本巻第5巻にて堂々完結。
大地は花に満ち、男たち女たちはヒンズー教の敬虔さの世界に暮らし、踊り、農耕し、大自然の恩恵を浴びています。
そんな中、中国の商船が沖合で難破したことがきっかけで、甚大な戦火に巻き込まれていきます。侵攻するオランダ軍、毅然と対峙するバドゥン王。王の親友であり踊りの名手、ラカ。心優しき主人公、パック。彼らは歴史の波に翻弄され、やがて大いなる死の行進、「ププタン」へと事態はエスカレート。果たして華やかで儚い王国の行方は…?
今も観光地として絶大な人気を誇るバリに、このような美しくて悲しみに満ちた歴史があったことにきっと読む者たちは驚かれると思います。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
22
バリの王国にオランダ軍の侵攻が始まる。それは「近代」という名の暴力だ。しかし、バリはただ「近代」に呑まれるのではない。潰されるのではない。「近代」は、バリの伝統を際立たせる。「心賢き者は生ける者のために悲しまずーー死せる者のために悲しむことなし 生命は破壊せられざるものなり 消えゆくはただ外殻のみ 精霊に終わりなし 永遠に不死なりーー」バリは「近代」に屈しなかった。その死をもって。「生誕の終末は死なり 死の終わりは生誕なり」さそうあきらの描く『バリ島物語』、ここに完結。2019/06/15
小鈴
12
ついに完結。壮麗な物語であった。「私」という主語が当たり前の近代人とは異なるバリ島バトゥ王国の民。バトゥの民の織り成す世界が美しい。しかし、オランダ軍の侵攻で世界は「終末」をむかえる。前近代の世界と民は終末をむかえ、戻すことはできない近代の時間の中で「物語」として語られるのだ。2019/06/14
hr
0
Kindle Unlimitedで読了。これが事実に基づいているという恐ろしさ。2021/05/30