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内容説明
近い未来――かつて日本だった国は、中国とロシアによって分割統治されていた。中国は水面下で対露目的の機密生体兵器「倭狼(ウォーラン)」を開発していたが、その実験体49頭が脱走、分割統治の境界にある非武装中立地帯に籠城…という失態を犯していた。証拠隠滅を図る中国部隊、尻尾を掴むべく動くロシア部隊、生き残りを懸ける機密生体兵器・倭狼…。三者三様の生き様がぶつかりあう近未来SF活劇、開幕――!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
毎日が日曜日
14
★★★ 中国、ロシアに占領された日本で人体実験をされた日本人が戦う話。設定が面白そうだから先が楽しみ。2019/05/04
そのじつ
12
伊藤氏の描くアクション(体技)と子供が大好きで、本書も期待して手に取った。期待のモチーフは用意されていたのだが『シュトヘル』ほどは熱くなれず。(2巻まで読了)日本という国が消滅した世界で、元日本人は中国とロシアに管理され生かされている・・という息苦しく痛々しい世界をのぞきたいと思えなかった。今の気分にフィットしなかったからかな。人間がメタモルフォゼした狼人間たちの正体などひもとくべき謎があるのだが・・続きは読まないかな。2020/02/29
けいしゅう
11
攻殻機動隊とパトレイバー、つまり押井守の語る近未来SFへの嗜癖が本書へ続く極上のレッドカーペットとなった。さっそく「ブレード・ランナー」のサントラを流しつつ読めば、中露により二分された日本列島という政治性、獣人を通して描かれる人間性をめぐる問いかけなどまさに垂涎の一冊!続巻がまたれる…!2019/09/16
紫雲寺 篝
11
「オオカミだよ 犬より強いんだ」「アキラくん いつもいつも怒っていて もっと怒ると笑うんだね」「おまえは人間だ 今でなくとも結局わかる 肉の中に骨があるのと同じ 当たり前のそれが 大事なことだと」あるミサイルにより被害を受けた日本の治安を維持する名目で、中露二カ国による分割統治が開始され二十年。日本人は倭族と呼称され、中国の自治区となった南側は寧倭自治区と改称されていた。倭狼と呼ばれる恐るべき「生体兵器」、兵器開発の証拠隠滅を図る中国、そしてその兵器の正体を探るロシアの、三つ巴の勢力がぶつかり合い……!?2019/04/30
allite510@Lamb & Wool
8
ロシアと中国に分割統治された日本。収容され、一部は生体兵器として人狼にされる倭人。極端な設定はここ数年次々露呈する日本外交の不安材料にストレートに反応したものだろう。そして人狼の血に触れた人間は死に、血(らしきもの)を充填された弾によって人狼が死ぬ設定は人種間の越え難い断絶をどうしても想起させる。文字を破壊することによる敵国文化の根絶を描いた前作シュトヘルが「継承」の物語だったとすると、今回は「分断を超える」ことがキーになるような気もするのだが、まだ何もわからない。何しろ読後、ザラザラしたものが残る。 2019/04/27