内容説明
航海者コロンブスの視点からはじまる手に汗握る激動の500年!
どのようにして今のアメリカ合衆国が形作られてきたのか。
利害がぶつかるなかで、人々は何を求め、いかに行動してきたのか。
本書では、衝突を繰り返し、大陸に広がり、多種多様な人々を抱え、自由と平等のもとに結合しようと悪戦苦闘してきたアメリカの変遷をたどる。
大陸発見から現代までをその時代の人の目線で描き出し、ひとつの物語のように繰り広げる躍動感にあふれた歴史書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DEE
13
コロンブスが新大陸を発見してから9.11までのおよそ500年、アメリカはどのように歩んできたのか。歴史書でありながら長大な物語を読んでいるかのような興奮を覚える。 国内で、外国で、さらには差別に対してや自由を得るためと、アメリカの歴史はとにかく戦い続けている印象。そしてこれからもその戦いは続くと思われる。強大な影響力は国内で止まることはなく、これからも世界を揺るがしていくことだろう。 自分は若い読者ではないけど、アメリカの変遷を振り返っておくのもいいかもしれない。2020/04/12
ケニオミ
13
アメリカ合衆国の歴史を俯瞰することのできる良い本だと思います。特に、独立戦争およびフランス革命に、アメリカがそれぞれイギリスおよびフランスとどのような関係を有していたのかが分かったのが収穫でした。また、黒人問題でアメリカが分裂の危機に陥り、薄氷を踏むような政治判断をしばらく続けていたことを知ることができたのも収穫でした。一国の歴史を著すとすれば教科書的になることは避けられませんが、教科書として薦められる内容だと思いました。2019/02/22
PenguinTrainer
9
インディアンが生活していた頃から自由の国アメリカになるまでの歴史が物語口調で書かれた本。 統治、教育、政治など様々な要因が絡み合って今のアメリカがあり、安易に日本の価値基準を当てはめることは難しいと感じることができた。2022/04/17
Sherlock Holmis
4
アメリカ通史という困難な仕事を成し遂げている良書。特にミクロとマクロの視点の切り替えが巧みだ。多数からなるひとつ、というキーワードの通り、アメリカの特質は一見極端な思想の集まりが牽制・拮抗を繰り返すことによる比類なきバランス感覚と自浄作用にあり、それがかつて権威主義・全体主義体制が陥ったような破滅を防ぐことにつながってきたと思う(そして今回もそうなることを信じる)。さて本書にもトクヴィルの洞察の影響が感じられ、できるなら派生の読書としたいが…2020/08/09
カラコムル711
4
コロンブス以後現代まで500年あまりのアメリカ史である。一人の著者だから視点は定まっている。「多数からなるひとつ」というアメリカの国の成り立ちと経過である。著者は違いがあることは悪いことではない、むしろ純粋さを求めれば誤った道に進むと歴史を使い説いている。妥当な見方だろう。過去のインディアンへの侵略や奴隷、黒人差別のことも明確に書いている。どこかの国のように自虐史観はだめだなどという馬鹿げた主張とは大違いだ。むろん詳しいことはこの本だけでは無理だが、それでも知らないことを多く教えてもらった良書だ。 2019/03/02