内容説明
新たな事実――人類消失を予見していた者。
機械の精神を蝕む病、AIMD。
その奇病を専門とする医工師を求め、テスタたちは冬のチベットを訪れていた。
有限の命を自覚し、改めてハルの母親として、娘に向き合う決意をしたテスタ。
だが、ハルが一人前の大人になるには知識も道徳も不十分であり、友だちになると約束したイリナとの関係も、いまだにこれといった進展は見られない。
それでもハルの中には着実に人間社会に対する好奇心が芽生えているようで、「イリナができるのに、あたしができないのはいやだ」と、自ら勉学を教えてほしいと志願してくる。
普通の人生を歩めなかった娘のために、テスタはハルの勉学に喜んで付き合い、さらには一種の社会見学になればという想いから、旅先の難民街でチベットの廃校を訪れる。
しかし、テスタはそこで奇妙な手紙を見つける。
『贖えない罪を犯してなお、この世界に生きる意味はあるのだろうか』
遺書ともとれるその一文とともに綴られていたのは、手紙を書いた者が、十一年前の人類消失を予見していたという事実だった。
やがて、かつてこの地で起きた悲劇を知った時、テスタは、思いがけぬ人物との邂逅を果たすこととなる。
※「ガ報」付き!
※特別カラーちらし「ゲキ推し!!ガガガラブコメ ラインアップ」付き
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
36
機械の精神を蝕む病AIMDを専門とする医工師を求め、冬のチベットを訪れたハルたち。奇妙な手紙を見つけたことをきっかけに旧型のアンドロイドと出会う第二弾。共に旅するイリナの存在を意識して成長したい、勉強したいと思うようになるハル、廃校で出会った旧型アンドロイド・アニラの過去、そして病に倒れたイリナを救うために向かった先で出会うテスタの因縁。新たな出会いがあって少しずつハルたちにも変化があって、それぞれが過去に向き合って乗り越え仲間たちと共に前に進もうとする姿がとても印象的でした。また続巻を期待しています。 2018/12/19
まりも
33
新たな仲間とともにハルとテスラの旅は続く。旅の途中で思いがけぬ人物との再会を果たすシリーズ第二弾。荒涼とした世界。そんな世界で描かれるハルの成長とテスラの母のような慈愛の心。ロボットと人間の違い。厳しく辛い現実の中で感じる心温まる瞬間。それら1つ1つの全てが美しく、また心に沁みいってくる。なんというかこの作品は心の脆い部分を突いてくるから好きなんだよなぁ。成長していく我が子を思う親の気持ちっていうのは何とも感傷的な気分にさせる。そんな胸を打つ読後感に浸らせてくれる1冊でした。2018/12/24
かんけー
28
1巻よりも更にテスタの母性本能が錯綜する2巻目。冒頭、AI成らぬ人工知能の深層心理描写の奥深さに驚愕、躊躇いや不安感、不寛容etc.~。テスタを筆頭に、この物語のアンドロイド達は人間よりも人間くさい(褒め言葉)AIMDの症状云々は置いといて、新キャラアニラとリン、アリン親娘のエピが切なく悲しい。然し物語は非情にも進む...昨日の敵は今日の友では無いが、敵として対峙したアニラをテスタが修理し、新たな仲間として受け入れ?ハルにとっての情操以上の何かを期待するテスタの想いがいじらしい(-_- )中盤以降息をも→2019/01/02
真鍋
26
不器用なハルのちょっとした優しさや思いやりがたまに垣間見えるたびに、なんかうるっときます。少しずつ成長していく不器用な少女に今後も期待です。そして新キャラのアニラが非情にいいです。どのくらいいいかといえば、久しぶりに食べるオムレツぐらいいいです。2019/01/21
真白優樹
19
テスタの病気の治療の為チベットを訪れる中、人類消失を予言した者の謎の手紙を発見する今巻。人類消失の真実の一端も晒される、テスタにとって辛い再会の待つ今巻。彼女が望んだものは、テスタが既にハルに与えていた。彼女が望んだ事は、ただ人類が羽ばたく事だけ。ハルの成長が可能性を示し、どこか皮肉的な終末の世界に一筋の希望となる巻であり、辛くて重く、切ない中に希望の仄かな温かさが心に優しい巻である。必要なものを学び育つ娘、限られた時間の中、守り慈しむ母親。親子の旅は、次はどこへ向かうのか。 次巻も須らく期待である。2018/12/19
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