内容説明
複雑きわまる世界史も、たったひとつの歴史＝全世界史として読めばもっとわかる、もっと面白い。歴史書一万冊を読んできた著者ならではの切り口で文字の誕生から混迷の現代までを縦横無尽に語る。古代オリエントからローマ、中国、イスラム、モンゴルの歴史がひとつに融合することで日本史の見え方も一新する。現代社会を見る目が変わる、世界史教科書の新・定番。『「全世界史」講義Ｉ』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
134
私は世界史が好きで今まで全集をいくつか読んできています。中央公論社(旧、新)、講談社版、岩波講座などですがやはり通読となるとこの本のように2冊くらいの本が手ごろという気がします。上巻は14，5世紀までが収められています。非常に読みやすい気がしますがある意味教科書などで名前や事件などを頭に入れて読む方が読みやすい気がします。2020/03/09
大阪魂
53
高校で世界史とってたけど、その頃は国別に年号と人名・地名・出来事の暗記だけしてた覚えあるから何の役に立つんやろっておもてた…でもこの本は、例えば地球の寒冷化による中央アジア・モンゴル平原の人の動きが中国、ヨーロッパ含めてむちゃ影響与えたゆーふうに世界レベルで歴史の流れみてはるから、各国の歴史が関わってるゆーのがわかってほんま楽しかった！フビライみたいな効率発想のリーダー、朱元璋みたいな陰険なリーダーが良くも悪くも時代変えるゆーのもみえたしね！さすが出口さん！地図もっとあったら嬉しかったけど…下巻も楽しみ！2023/09/02
十川×三（とがわばつぞう）
46
面白い！大きな流れが掴める。上巻はBC3500年～0年(80P),0年～9世紀(140P),10～14世紀(220P)。▼出口氏は我々と同じ一般の歴史好き。だが読書量が半端ない！▼EUと中東において、キリスト教勢力、イスラム教勢力の版図は混沌としていてややこしい！それを読ませてしまう執筆力の高さ。▼2022年6月再読②2021/07/10
ヨーイチ
34
普段あまり縁のない著者。経済人ってのはどうも苦手（まぁマスコミの分類にもよるのだろうが）読書人としても有名らしい。歴史学者では無いひとの歴史書？として百田某の日本史を思い出したが、上巻だけだが面白くて、分かりやすい。全世界史とは言いながら、この巻はユーラシア史か。まぁ仕方ないけど。大航海も始まってない。全体を通して著者の姿勢が分かるのは○。気候と人口、生産に着目して、大国の成立、存亡を解説している。普通の地図では分かり難い高原、山脈のイメージが欠落しているのが悔しい。次巻を期待して読了。2022/11/13
Nobu A
33
出口治明著書2冊目。18年刊行。HONZ推薦本を久々に更新。本書は別ライターが著者の話を書き纏めたもの。正に「博覧強記」を地で行く人。活字を追うのもいいが、本書に限り筆者の生の講演を聴いてみたかった。歴史家として体系的に学んだ訳ではないだけに、随所にある推論や考察が独特。「アッカド帝国は言語が異なる民族を征服し初めて統一。人間を支配し動物も支配すべく動物園を作り、過去も支配すべく図書館を建設」なんかね。他方、10世紀辺りから様々なカタカナ語が飛び交い出し脳が膨張気味。明日にはすっかり忘れているんだろうな。2024/02/14
