創元SF文庫 廃墟都市の復活 上

著者名：フィリップ・リーヴ【著】/安野玲【訳】

東京創元社（2018/11発売）

• ISBN：9784488723040

内容説明

クラウド9が墜落した夜、へスターは沙漠に呑まれて消えた。それ以来抜け殻のようになってしまったトムだったが、娘レンと一緒に飛行商人として訪れた街で見かけた一人の女性が彼の魂をゆさぶり起こした。それは忘れもしない、古代兵器の暴走で廃墟と化した故郷ロンドンの知り合いだったのだ。慌てて声をかけたが、相手は人違いだととりあってくれない。間違いないはずなのに何故？　ロンドンの廃墟に何かが隠されていると確信したトムは、レンを伴い、若き軍人ヴォルフと共にロンドンを目指す。見捨てられた地ロンドンで彼らを待つものは？　ガーディアン賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[星落秋風五丈原]

ペニーロイヤルがここまで続くキャラになるとは。そしてレンとセオが淡い恋に。そしてそもそもの始まりのロンドンへ。完結編ですなぁ。

2022/06/07

[イツキ]

相変わらずテンポよく進んでいきます。壊滅したはずのロンドンの動き、レディナーガを巡る動き、ストーカーファンとフィッシュケーキの３つを中心に同時進行していきますが下巻でこの３つがどう絡んでくるのか。

2019/04/05

[たろ☆]

トムとレン，ヘスターとシュライク，ストーカー・ファンとフィッシュケーキという3組の物語が同時進行するので，非常にボリューミー。登場頻度がやや低いヘスターの〈虎口の戦士〉っぷりが，まるで『マッド・マックス』のマックスのようでかっこいい（もちろん強いし）。シュライクがここまで重要な役回りを演じるとは予想外だったし，道化師ペニーロイヤルがしぶとく登場し続けるのも同様。

2019/10/01

[saimoon]

前作で砂漠に取り残されたヘスターと、娘と共に飛び去ったトム。 別れた二人の思いとは別に、ストーカーファンを失ったグリーンストームと移動都市の和平交渉は進んでいるかに見えた。しかし友好使節として訪れた元ドクターゼロ、現在の最高司令官ナーガ夫人を、ストーカーファン派の暗殺部隊から守る偽装飛行にセオが駆り出され、また運命の歯車は回り出す。 今回もズルズルと結局お互いを求めてすれ違いすんのかな～と思ったら、意外と二人とは違うところで話が複雑になっていったので楽しく読めた。

2019/04/10

[cup-a-joe]

赤のスカーフから黒装束に着替えブラックヘスターに進化したヘスター姐さん。 シュライクと行動を共にし生きたいように生きる。 人を愛すると待っているのは悲しみと苦しみ。そして絶望。 「やわになるな」と自分に言い聞かせるへスター。 今回の見どころはストーカー２人の葛藤。 シュライクとアナ・ファンはこの先どうなるのであろうか？

2018/12/23