創元推理文庫<br> ナイフをひねれば

個数:1
紙書籍版価格
¥1,210
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

創元推理文庫
ナイフをひねれば

  • ISBN:9784488265144

ファイル: /

内容説明

「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。翌週、ロンドンの劇場でわたしの戯曲『マインドゲーム』の公演が始まる。初日の夜、劇評家の酷評を目にして落胆するわたし。翌朝、その劇評家の死体が発見された。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!/解説=三橋曉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

416
骨格はいたってシンプルなミステリ。しかし、シリーズ物の中ではかなり人気の高い作品となりそう。ホロヴィッツが容疑者という設定の良さに加えて、英国調ながらもツボをおさえてしっかり笑わせる自虐が満載。関係者に話を聞いてまわるだけの中盤がだれない理由がそこにある。プロットやトリックのクリスティ風味が模倣の域をはるかに越えているのはすごいところ。過去の因縁の展開させ方や、物事を見る角度を変えるだけで劇的に意味合いが変化する演出法など、まさにクリスティの十八番といえるお家芸を違和感なく堪能させてくれる。2023/09/20

パトラッシュ

275
ワトソン役は結構辛いものがある。自分より優秀な頭脳を近くで見せつけられ、いいように便利遣いされたり痛い目に遭うのだから。そんな立場に嫌気して逃げようとしたら、自身が殺人容疑で逮捕されてしまうのだ。こうなると頼りになるのは憎たらしいホーソーンしかいないとなれば、心情は察するに余りある。思いがけない真犯人を探し出す推理は相変わらず見事で、伏線の回収や意外な動機もシリーズ随一なので、劣等感は解消されないままだが。にしても被害者を殺されて当然のキャラにしたのは、自作を酷評された劇評家への個人的恨みが反映したのか。2023/10/06

青乃108号

233
3作目を飛ばして読んでしまった、ホーソーンシリーズ4作目。著者ホロヴィッツ自身が作中に登場する、いわゆるメタ小説のこのシリーズ。「カササギ~」は激賞した俺だけど、このシリーズはさほど気に入っていない。読んでいて退屈し、そのうち苦痛になり、まだ残っているページの厚さにうんざりする。この作品もそうだった。いくら著者自身が殺人の容疑をかけられ逮捕されるという、一見刺激的な物語であっても。物語はやはり退屈であった。探偵役のホーソーンの調査、関係者への長い聴取場面が繰り返し繰り返し。もうこのシリーズは読みません。2023/12/28

タツ フカガワ

212
ホロヴィッツが殺人容疑で逮捕される。殺されたのは辛辣な評で知られる劇評家のハリエットで、犯行前日にホロヴィッツ脚本の芝居を酷評、さらに、凶器の短剣がホロヴィッツのものだった。関係者が一堂に会して「犯人はこの中にいる」という様式といい、細かい伏線の張り方とその回収のうまさといい、英国本格ミステリーを存分に楽しみました。また、これまで小出しにホーソーンの個人情報(?)が明らかになるものの、彼こそ何者?というのがシリーズ通しての大きな謎のようで、次作もいまから楽しみです。2023/10/26

旅するランナー

211
ナイスなひねりがきいた、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ④。いつものように作家自身がひどい目に合う。今回は、脚本担当した舞台劇「マインドゲーム」を酷評した劇評家が殺される。しかも、全ての証拠·証言が犯人=ホロヴィッツに繋がるものばかり。仲の悪いこのコンビは事件の奥に隠された秘密を解き明かすことができるか? やはりホーソーンによる推理が秀逸。そして、今回は切ない顛末。2024/01/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21496849
  • ご注意事項