創元推理文庫<br> ナイフをひねれば

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創元推理文庫
ナイフをひねれば

  • ISBN:9784488265144

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内容説明

「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。翌週、ロンドンの劇場でわたしの戯曲『マインドゲーム』の公演が始まる。初日の夜、劇評家の酷評を目にして落胆するわたし。翌朝、その劇評家の死体が発見された。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!/解説=三橋曉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

535
★★★★☆ H&Hシリーズ第4作目。 いつも散々な目に遭うホロヴィッツだが、今回は殺人犯に間違われるという悲劇に見舞われる。もっともこれまで死にそうになったりしてたのでまだマシかも… 内容としてはクラシカルなフーダニットで、犯人もミステリ慣れしている人なら容易に想像つくと思う。 被害者のハリエットは同情の余地無しの性悪女だったので、むしろ犯人が可哀想になったよ。 一つのミステリとしても十分面白いが、ホーソーンの過去の秘密にグッと近づくシーンやコミカルな描写など本筋以外の部分で大好きな作品。2024/05/23

W-G

480
骨格はいたってシンプルなミステリ。しかし、シリーズ物の中ではかなり人気の高い作品となりそう。ホロヴィッツが容疑者という設定の良さに加えて、英国調ながらもツボをおさえてしっかり笑わせる自虐が満載。関係者に話を聞いてまわるだけの中盤がだれない理由がそこにある。プロットやトリックのクリスティ風味が模倣の域をはるかに越えているのはすごいところ。過去の因縁の展開させ方や、物事を見る角度を変えるだけで劇的に意味合いが変化する演出法など、まさにクリスティの十八番といえるお家芸を違和感なく堪能させてくれる。2023/09/20

パトラッシュ

330
ワトソン役は結構辛いものがある。自分より優秀な頭脳を近くで見せつけられ、いいように便利遣いされたり痛い目に遭うのだから。そんな立場に嫌気して逃げようとしたら、自身が殺人容疑で逮捕されてしまうのだ。こうなると頼りになるのは憎たらしいホーソーンしかいないとなれば、心情は察するに余りある。思いがけない真犯人を探し出す推理は相変わらず見事で、伏線の回収や意外な動機もシリーズ随一なので、劣等感は解消されないままだが。にしても被害者を殺されて当然のキャラにしたのは、自作を酷評された劇評家への個人的恨みが反映したのか。2023/10/06

Tetchy

292
いやはや作者自身が容疑者として逮捕されるミステリがかつてあっただろうか。その故か、今回ホーソーンがいつもと違って作者に対して優しく寄り添っているのが印象的だ。しかし毎回思うがホーソーンの推理が開陳されるにつれ、緻密に全編に亘って散りばめられた伏線が判明していく手際は本当に見事。まるでパズルのピースがパス、パス、パスと当て嵌っていく音が聞こえるかのよう。そしてやっぱりメタだなぁ、このシリーズ。いつの間にか読者の私たちも作品に取り込まれているように感じてしまう。だからこのシリーズが止められない。困ったものだ!2025/05/15

青乃108号

289
3作目を飛ばして読んでしまった、ホーソーンシリーズ4作目。著者ホロヴィッツ自身が作中に登場する、いわゆるメタ小説のこのシリーズ。「カササギ~」は激賞した俺だけど、このシリーズはさほど気に入っていない。読んでいて退屈し、そのうち苦痛になり、まだ残っているページの厚さにうんざりする。この作品もそうだった。いくら著者自身が殺人の容疑をかけられ逮捕されるという、一見刺激的な物語であっても。物語はやはり退屈であった。探偵役のホーソーンの調査、関係者への長い聴取場面が繰り返し繰り返し。もうこのシリーズは読みません。2023/12/28

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