角川文庫<br> 山の霊異記 黒い遭難碑

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角川文庫
山の霊異記 黒い遭難碑

  • 著者名:安曇潤平【著者】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • KADOKAWA(2018/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041057322

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内容説明

木陰に立ち並ぶ数十体の地蔵の、ある法則に気づいた瞬間に戦慄する「顔なし地蔵」。風雨と霧に閉ざされたヒュッテの乾燥室にうずくまる青い雨具の男の正体が切ない「乾燥室」、奇妙なほど行く先々の山で遭遇する女性の言動が謎と不安を誘う「ポニーテールの女」他。避難小屋、山奥のトンネル、テント――心身ともに強靭な山男たちを震撼させる、恐ろしくも不可解なできごとを山の霊気とともにつづる。文庫オリジナル作品2篇を収録。

※本書は二〇一三年四月に小社よりMF文庫ダ・ヴィンチで刊行された作品を、加筆・修正して再文庫化したものです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

45
以前読んだ『赤いヤッケの男』より断然面白く、また怖いと感じた。慰霊碑や遭難碑、ケルンに地蔵。人の命が、その場所で断たれた標は沢山ある。山は聖地かと思っていたが、そうでもなさそうだ。後半の『ひまわり』のように洒落た流れもあれば『青いテント』や『真夜中の訪問者』のように正体不明の何かに脅かされたり。正体不明と言えば『ポニーテールの女』が興味深い。愛されちゃってますよね。2019/06/24

春風

15
山岳怪談を集めた短編集。山とは、標高が高いというだけの場ではない。山行は、抗うことのできない自然の力を感じ、畏怖を常に抱きながら行うものでもある。それは、死が常に近いことも意味する。そして、ミステリでいうクローズドサークルのような一種の閉鎖的環境でもあり、仮に怪異に遭って逃げ出したとしても、山は果てなく続くように感じられ、容易に逃げ出すことは出来ない。そのため、地上での怪異の遭遇に比べ、孤独感や不安感が増幅され、唯一無二の恐怖が描かれた作品集となっていた。2020/03/23

山田

13
作者・知人等が山で体験した「コワイ」話。結構グロかったり気持ち悪い描写が生々しくある。 山とは、霊をそんなにも大胆にさせるものなのか…と感心してしまう。霊も人恋しくなるのだうか?2021/01/17

mittsko

12
「霧限の彷徨」「櫛」の人情味が好きだな。おそらく著者の作家性が表れてる。なんじゃそりゃと素直に驚いたのは、いかにも実話怪談テイストな「滑落」。いきなり挟まれている「裏山」みたいな掌編が、かえって異様さを際だたせる ※ 著者の数ある本の中で、なぜこの本を選んだのか、忘れてしまった 怪談実話に慣れているボクでも、実際にゾッと鳥肌が立つ話がいくつもあった 最近、山の怪談が人気だが、登山家系統なら安曇さんの著作が必読なのであります(大きなセールスをあげた田中康弘さんの「山怪」はマタギ、猟師系の怪談)2024/02/11

スーヌ

9
【B+】山と怪異を描いた短編、シリーズ第3弾との事だけど、自分は順番バラバラで読んでるので何冊目か忘れた。ただ今まで読んだ中で一番面白かったな、今回は。バリエーションも豊富でなかなか展開も読めない。皆さんも挙げてる『ポニーテールの女』はインパクト大だった。結局何だったのか…あと『黒い恐怖』こういう霊的なものとは異なる怪異は実に良いね!2024/05/06

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