内容説明
芸人の世界に必要なのものって何だと思う?
僕――鳴雲俊史は悩んでいた。
投げかけられた質問には、いったいどう答えるのが正解なのだろうか。
「あの――」
「なんだい? 何も思いつきませんでしたという敗北宣言を高らかに発してくれるのかい? それならそれでこちらは違う形とはいえ大爆笑するよ。だって君はこんな質問に関してまで逃げ出すということになるわけだからね。桂小五郎は逃げの小五郎なんて言われていたけど、それは喧嘩をする場面じゃないと判断した時逃げるということだよ。君のそれとは全く趣旨が違うって事を判断してて欲しいんだけどね」
この先輩、なんでこんな一瞬で悪口が頭に思い浮かぶんだろう……
間違いなくこれも才能だ。やはり頭の回転がとんでもなく早い。
これが売れている芸人の思考か。
「もう一度聞くよ。君はこの世界に必要な唯一のものって何だと思う?」
先輩は無邪気な子供のような笑顔を見せた。今日の会話の中でとびきり純粋な。しかし僕にとってはそれは無慈悲で残酷な表情。
「それがわからないなら、芸人を辞めてもらうよ」
売れている芸人と売れていない芸人の違いはなんなのか――。
テレビなどでも活躍中のお笑いコンビ『天津』の向が綴るリアル芸人物語の第二巻。
※「ガ報」付き!
※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しぇん
16
Kindle版で再読。ヒロイン増えてモテモテになってたりでラノベ成分増してきたかな?と。両々さんが一番記憶に残ってたりしました。あと、一巻では名前だけだった元相方も本格登場してきたりで主人公中心な話にシフトしてきていますしね2024/01/31
中性色
16
吟じない。芸人のリアルな事情が交差する、あるいみ自叙伝みたいな作品。芸人として必要なものは何なのか、それを一巻かけて堂々と作っている。もともとの芸風とは逆に手堅く作られた物語といった具合なので、その部分は評価しつつ、キャラとの乖離をどこまで抑えられるようになるかが重要になってくるのだろうか。しかし、今更だが漫才のような長尺ものを即興でできるものなんだな。個人的には雪音と伊織が好み2018/12/15
サケ太
9
やはりこれは面白い作品。芸人の仕事のみで食べれているが、いまいちパッとしない鳴雲俊史。元相方との競演、投げかけられた言葉で、自分のあり方について悩み続ける。売れている先輩芸人白樺両々から投げかけられる問い。どうにもならない現実的な苦しみ。売れるためにはどうすればいいのか。最終的に出した答えにはグッときた。続巻はでるのか、ここから成り上がる展開も読んでみたい。2015/03/21
もだんたいむす
8
素敵なラブコメでした。鳴雲と雫の漫才シーンが、荒削りながらも【夫婦漫才】って感じがして、結婚しろやと思った。ただ、両々の毒舌や生徒に対する態度が苦手だな。でも、いい味が出てて物語としては好き。★★★★★2015/03/27
しぇん
5
現役お笑い芸人さんが書いているライトノベルの第二巻。一巻では夢と希望溢れる若者と、夢破れたおじさんの悲哀の二面性でお笑いの世界を書いていましたが、今巻はより主人公に焦点を当ててきた物語になってますね。一巻のようなほろ苦さは減っていますが、ラブコメ成分が増していたり良くも悪くも普通のライトノベルに近付いてるような気がしました。自分は楽しめたのでまだまだ続くと嬉しいですが、続きでますかね?2015/03/18
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