内容説明
江戸の空に放たれた一本の矢。それは律儀な魚売りの命を奪った。北町奉行所同心鷲津軍兵衛は、矢の作りから、大身旗本を疑う。すると、手先の下っ引を同じ矢が襲い、軍兵衛も柳条流の遣い手の旗本家用人と対する。その折、一家皆殺しの残忍な押込み一味の潜伏が知れ…。軍兵衛は旗本を裁けるか? 凶賊を捕えられるか? 八丁堀同心の心意気が胸に響く捕物帖。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
jima
14
シリーズ1作目。図書館でこのシリーズ7冊を借りてしまった。最初登場人物が多く、誰が誰やらで読むのやめようかなぁと思ってしまったが、半ば頃からグイグイ惹きつけられてしまった。人混みのある江戸の大通りの空に飛んできた矢。それが魚売りの命を奪った。そこから・・。2021/09/17
だいしょう@SR推進委員会
5
再読の再読。ちなみにこれも新装版。・・・ということは、もしやこのままいくと、最新刊がありってこと?(喜)あれでおしまいはないもんね~。なので、軍兵衛おっかけの私としは、これはぜひ注視しなければ。ところで、養女にした娘の名前が、「鷲津鷹」だなんて、…縁談の相手が引くじゃん。2018/02/18
オールド・ボリシェビク
3
初めて読む作家だが、勢古浩爾さんが勧めていたので読んでみた。面白いじゃん。江戸北町奉行所の同心たちを描いて飽きさせない語り口はなかなかのものだ。シリーズ1作目なので、人物関係の把握に少し骨を折ったが、中盤以降は一気読みだった。主人公の鷲津軍兵衛、非道は許さない一本筋の通った同心である。子分たちも意気に感じて動く江戸っ子たちだ。読んでいて気持ちが良いぜ。しばらく、このシリーズを追いかけてみようと思う。2025/12/18
のんぶぅ
2
岡引きの引合わせで面談中に「帰れ」と、その後に下っ引きに採用され、酒を酌み交わす、知己の友を訪ね剣の稽古の最中脇腹に木刀を撃ち込まれたり、「今日は日が悪い・わざわざ来たのか・方角はよかった」、見張り所に朝飯の差し入れを妻女に作らせ持参する優しさ「俺ばかり布団で寝てちゃ、心苦しいんだ」、岡引きの十手を借りて帯に差し込んで決闘に備える、父を理不尽に殺され、母もまた死なれた幼子の行く末を、同心の息が「お鷹(養女にする・幼子)が笑いましたと嬉しそうに話すのを」どんな笑顔で笑うのかと思う同心。次作を鶴首しながら。2018/02/21
naka
1
この捕り物は面白い。北町奉行所捕物控シリーズ1巻目です。私はシリーズ2巻目の「黒太刀」から読み始めてあまりにも面白かったので1巻目に戻り「風神の舞」を読んだんだが、面白い。裁かれぬ悪に立ち向かうというテーマは1巻目から引き継がれていたことがよくわかりました。本書を読み終わる前にすでに3巻目「空舟」を読み始めちゃっています。徹底的に悪をやっつける作風は江戸時代もの小説好きの方にはお勧めです。2018/07/22
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