内容説明
安房館山藩一万石の二代目藩主・稲葉正武は四十四歳で隠居したが、後を継いだ三代目藩主は二十九歳で急逝してしまう。隠居ながら藩主として政を行う正武だったが、十二年が過ぎ、幼かった孫の正巳が藩政を担える歳になると、元の隠居の身分に戻り上屋敷から中屋敷に移った。そのとき伴ったのが、正巳の弟で部屋住みの正高だった。面倒事は嫌い、というのが正武の本音だが、お節介で結局は首を突っ込む質。一方、孫の正高は正義感が強く、不器用で融通が利かないところがあったが、祖父の言動に反発を感じながらも、逆らえずについてゆく。そんな折、館山藩御用達の魚油問屋の主から、藩に支払う七百両が狙われていると聞かされる……。書下ろし新シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葵
18
大名の次男坊が隠居した祖父についていき一緒に暮らしながら、祖父から色々学び成長していく……といった爽やかなお話。一つ一つの文章が短文でト書きのようなのが気になったけれど、その分サクサク話が進むのでストーリーを追ってすぐ読み終えた。若様はまだ17歳だし真面目で勤勉で融通がきかない。粋なおじいちゃんに「修行しろ」と言われて連れ回されたり仕事をさせられたりする中、なんの修行なのかわかっていなくて可愛らしい(笑)。2024/04/03
高橋 (犬塚)裕道
6
星3。なかなか面白い。若さまの修行はどう進むのか?!2023/09/01
ナツメッグ☆
3
安房館山一万石の次男坊稲葉正高と祖父で先々代の藩主でいまは隠居の身の稲葉正武とのコンビで、次々に起きる市井の事件を淡々と解決していく著者の新キャラクター、次作も期待。表題作の「初雷の祠」が出色。2015/04/21
アボガドみよ
2
次男坊若様の成長が楽しみです。あと隠居の正武殿の指導も楽しみです。早く次の巻、読まなきゃ~。2017/10/12
snowflake
0
「あれは、口だけじゃ」2023/05/04