内容説明
安房館山藩一万石稲葉家の次男・正高は正義感が強すぎて、いささか融通の利かない部屋住み。実の兄が正式に藩主となったため、藩政から身を退いた兄弟の祖父・正武とともに本所での中屋敷暮らしを始めた。身分を隠して気楽に暮らすうち、はからずも様々なやっかいごとに巻き込まれる祖父と孫。そんな中、正高が心惹かれるようになったのは常盤町「茜屋」の女郎・浜里ことおたゑだった。ある日、おたゑに身請け話が持ち上がる。心穏やかでない正高だったが、正武とともに出かけた月見の宴で出会った美貌の娘との縁談が正高にも……。きっぱりと断ったものの、二人の女性の間で揺れ動く正高。だが、ある事件がきっかけで正高は屈託を乗り越えるべく動きだす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葵
19
大名家の次男坊若様とご隠居のお話3作目。これで完結のようです。若様、叶わぬ恋を経験したり、成長されました!まだまだおじいちゃんから「修行が足らぬ」といわれる若様ですが、修行が足りぬからこその真っ直ぐさが可愛らしい(笑)。謎が深いわけでもなく、展開も予想できるあっさりした文章のお話ですが、水戸黄門や暴れん坊将軍が好きな私には問題ありません。若様が完全無欠ではなく、でも爽やかで好漢で、読後感が良かったです。若様頑張って〜と思いながら読み終えました。2024/04/03
高橋 (犬塚)裕道
7
星3。楽しませて頂きました。まあこれで正高の修行もひと段落ついて婿となり新たな段階に入ることであろう。読みたい気もするが、このまま想像するだけの方が面白そうだ。2023/09/10
アボガドみよ
3
次男若様の恋の行方、次回がどうなるのか、とても楽しみです。それにしても、祖父の正武は、せっかちで頭も行動もキレキレで素敵です~2017/11/12
snowflake
0
「ならばなぜ、大局的にものを見ぬのか」2023/05/10