内容説明
安房館山藩一万石の藩主と一歳違いながら、弟ゆえの悲しさで部屋住みの身である稲葉正高。孫に藩主の座を譲り隠居した祖父・正武の命で、共に本所猿江町の中屋敷に移り住んだ。ある日剣術道場からの帰り道、神田川南河岸で思いがけない人物の姿を見かけた正高。それは行きつけの小料理屋の馴染み客で錦絵の彫り師の留蔵だった。温厚なはずの留蔵は殺気立ち、雑穀屋から出てきた商人ふうと浪人の二人組に鑿で襲いかかろうとしている。大事になる前に辛うじて諫めた正高が事情を聞くと、かつて思いを寄せたことのある雑穀商片岡屋の女将が、かの二人組に強請られているという。正高はお節介ながら、ことの裏を探り始めるが…。痛快人情シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
22
これって2作目なのね。図書館の本の交換会で喜んで持ち帰ったのにな~。なので、おたゑさんとのなれそめとかとある事件で関わったとかの部分はさっぱり分からずでした(*´∇`*)2018/12/04
葵
18
大名の次男坊若様とご隠居のお話2作目。若様、おじいちゃんにヒントをもらわないとなかなか謎を解けない頼りなさなのだけれど、剣の腕はたつし、真面目で真っ直ぐで純で微笑ましいです。三つの中編からなる今作ですが、若い頃の恋の相手を遠くから見守り助ける版画職人のお話が良かったです。若様は、一作目で助けて身の上を知った女郎と神社でお団子食べるのを楽しみにして決してお店には行かないけど、淡い恋はどうなってしまうのか気になります。2024/04/03
山内正
3
館山藩稲葉正高は藩主の次男で祖父と暮らすがふとした事で逸れた子供 笹吉と知り合い父親の行方が分からなく探す内番屋に窃盗の疑いで居ると 聞けば浪人に頼まれたと知るが 闇の盗品だと判る 次男として江戸の様子も知らない若様の機転を働かし事件を探る物語2018/04/13
snowflake
0
この女の矜持なのだと受け取った。2023/05/08
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