内容説明
日本の植民地支配から、南北分断、1948年に成立した「韓国・北朝鮮」体制。日本とアメリカ、あるいは中国とソ連、さまざまな国際関係の力学の中で、当初の北朝鮮優位から韓国優位へと時代が移ってゆく。その繊細な歴史の綾を読み解き、朝鮮半島のナショナリズムとはなにかをとらえる力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
18
朝鮮半島の近現代史をナショナリズムをキーワードに細かく解説した労作。大国の思惑と国際情勢の変化への対応など、いかに複雑な状況を産み出してきたかが分かる。◆著者は韓国主導の統一を中国は支持しないと言うが、統一後の半島でのアメリカのプレゼンス次第ではなかろうか。中国の狙いは朝鮮半島をかつての中国の属国のような位置付けに戻す事だろう。著者が言うように統一に向かう事態は有事を経て突然来るかもしれない。統一後の半島へのコミットも視野に入れた、関係各国の水面下での協議が活発になる気がする。日本の対応は?2018/04/17
まえぞう
5
主に南北分断後の朝鮮半島を、ナショナリズムというキーワードで整理したもので、半分以上自分の人生と重なります。当時はそうとは思いませんでしたが、ここで解説されると、なるほどそうだったのかと感じる点がいくつかありました。日本のこれからにも関係する話しなので、心に留めておきたいです。2018/02/12
ミネチュ
3
朝鮮半島の二つの国、韓国と北朝鮮についてよくわかります。統一国家を目指しているのかいないのか?ナショナリズムという観点から見ると、両国はどういう戦略で統一を目指しているのか(いないのか)? 韓国や北朝鮮では、植民地時代に日本を利用して力をつけてから独立という戦略を取った人たち(日本を利用するということで用日ナショナリズム)は親日派として批判されていますが、それも一つのナショナリズム。 日本に対する韓国のいわゆる「ゴールポストを動かす」行動の謎についても理解できる(かも)。 よい本でした。2019/05/05
hosikita
2
近現代朝鮮史を「ナショナリズム」を中心に据えて叙述した本書には、著者の命名による「○○ナショナリズム」があふれるほど登場する。近代化・用日・亡命・抗日・統一・産業化・主体・維新・民主化……これらは「○○」のほんの一部に過ぎない。何もかもがナショナリズムと結びつけられて論じられる。朝鮮ナショナリズムの複雑さを叙述してみようという著者の意図は成功したように見える。それはそうと、韓国政治が専門なだけあり、韓国に関しては大変説得力のある叙述となっていると思えたのだが、近代史や北朝鮮については疑問を感じなくもない。2019/10/15
-
- 電子書籍
- マリーミー!【分冊版(59)】 LIN…
-
- 電子書籍
- 恋するセラピスト【分冊】 11巻 ハー…
-
- 電子書籍
- 戦火に燃えて ハーレクイン
-
- 電子書籍
- あなたに届く声 【単話売】 - 本編 …
-
- 電子書籍
- BLOODLINK1.5 ふたり 徳間…