内容説明
大人気シリーズ、ベストセラー最新作!
栗原一止は、信州にある「24時間365日対応」の本庄病院で働く内科医である。医師不足による激務で忙殺される日々は、妻・ハルの支えなくしては成り立たない。昨年度末、信濃大学医局からの誘いを断り、本庄病院残留を決めた一止だったが、初夏には恩師である古狐先生をガンで失ってしまう。 夏、新しい内科医として本庄病院にやってきた小幡先生は、内科部長である板垣(大狸)先生の元教え子であり、経験も腕も確かで研究熱心。一止も学ぶべき点の多い医師だ。
しかし彼女は治ろうとする意思を持たない患者については、急患であっても受診しないのだった。抗議する一止に、小幡先生は「あの板垣先生が一目置いているっていうから、どんな人かって楽しみにしてたけど、ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じゃない」と言い放つ。彼女の医師としての覚悟を知った一止は、自分の医師としての姿に疑問を持ち始める。そして、より良い医者となるために、新たな決意をするのだった(2014年2月発表作品)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
305
アルコール依存症回。5話+プロローグ、エピローグ。成る程、エピソード0を経由して新章へと繋がるのですね。医者の指針、ポリシーに関する考え方。10人居れば10通りあってもおかしく無いとは思いますけれどね。どう擦り合わせるのかと思ったら、それぞれの立場に“理由”があるという描き方が秀逸でした。十字架も軽く無いよ。いつもの事ながらのハードワーク。ストーリーに出ないスタッフも沢山在籍しているのだとは思うのですけれども。何処かに偏りが生じているのであれば、組織の運用に問題がある様に思うけれど。どうなんでしょうね。2025/05/30
Hitoshi Mita
231
「あせってはいけません。ただ、牛のように、図々しく進んで行くのが大事です。」とても考えさせられる。新しく赴任してきた、小幡先生の信念に栗原先生の進路は否が応でも変わらずにはいられない。真面目にそして真摯に向き合っていくと、ひとところには立ち止まってはいられない。この本は愛すべき人達がその個性を遺憾なく発揮し生きていくその姿にほのぼのとしたり、懊悩したり自分も感化させられたりする。とても面白かった。栗原先生のこの先のお話が早く読みたい。2014/12/02
佐々陽太朗(K.Tsubota)
214
このシリーズを読むとき、私の頭に鉄幹の「人を恋うる歌」が思い浮かぶ。「妻をめとらば才たけて みめ美わしく情ある 友を選ばば書を読みて 六分の侠気四分の熱 恋の命をたずぬれば 名を惜しむかな男ゆえ 友の情けをたずぬれば 義のあるところ火をも踏む 汲めや美酒うたひめに 乙女の知らぬ意気地あり 簿記の筆とる若者に まことの男君を見る」 賢く麗しい情愛あふれる妻に恵まれ、理想と情熱を抱く友に恵まれ、そのような人たちと美味い酒が飲めるならば、人生はこんなにも温かく素晴らしいものになるのだと。人生、斯くありたい。2014/04/21
さばかん
208
とても良かった。 さすがは神様のカルテである。 出会いと別れ。 刺激を受けて、邁進する。 牛歩でも日進月歩。 「精神的に向上心のない者はばかだ」の台詞がいつ出てくるかと思ったけど、出てこなかった。2018/01/04
あすなろ@no book, no life.
190
久しぶりの神様のカルテの三巻読了。最初の三分の一ぐらいは、独特のリズムを取り戻すために少しに時間がかかってしまったが、その後は面白く一気に読了。ハルさんが密かに好きで読んでいるのです。男性が見た理想の古風な妻なのかもしれないですが(笑)。宮崎あおいさんの顔が浮かぶ。櫻井君は、少し僕の印象と違っているが(笑)。第一部完とあり、再びの勉学の世界に飛び込む主人公がどうなるのか?30歳で仕事に塗れてしまって、再び勉学を志していく気持ち、経験上良く分かります!僕は、35歳の時、再び勉強しました。2014/07/29
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