内容説明
武士の棟梁・将軍位をめぐる継承争いは、武家政権の宿命とも言えたが、この最高の名誉を放棄した奇特な?人物もいた。三代家光の直系で六代家宣の実弟であり、七代家継の叔父にあたる男、上州館林藩主・松平清武であった。清武は次代将軍就任を懇願されながら、庶民の目線第一という姿勢を頑に貫き通し、長屋住まいを願い出たのである。そんな人柄と才を見抜いたのは、八代将軍となった吉宗であった。清武は、北町奉行の任に就いた大岡忠相とともに、強引に政の補佐役とされ、町中から世直しに尽力。制度の制定や小石川養生所の設立など、おなじみの改革を陰から推進する。享保の悪を斬る義の剣が、新しい世を築いてゆく──熱き殿さまの躍動を描く評判シリーズ、第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
7
これは非常に読みやすい時代小説。八代目江戸幕府将軍就任を蹴った、徳川家光直系にして、上州舘林藩藩主松平清武。庶民目線の生活に触れるため長屋住まいのこの男。八代目将軍吉宗の要望により相談役となり、大岡忠相とともに吉宗の治世を支える。連続する辻斬り。医療を受けられず苦しむ人々。金銭の訴状への対処。実際の改革、政策が何故行われたか、その結果どうなったかを物語として楽しむことが出来る。じじいが強い。この要素だけでも大好き。2017/06/12
たかさん
3
シリーズ第2弾。発売直後に購入したが、テンポがとても良くサクサクと読めた。松平清武という将軍を蹴った男が、将軍を支えていくのだが、吉宗の行った改革をうまくベースにして、話が面白く展開していく。どんどん、続けて欲しい。2017/06/12
がたぴん
0
奮闘記と合わせ、とても読みやすく面白かった。勉強としての歴史が苦手だったので、歴史に触れるという意味でもよかった。2020/06/17