内容説明
征夷大将軍──幕府の長であるこの将軍は、全国の武士を従える棟梁でもあった。よって、この位をめぐり徳川家では度々、権力争いが起きている。だが、次期将軍の第一候補者でありながら、権利をあっさりと放棄した人物も実在した。上州館林藩主松平清武、その人である。清武は、三代家光の孫にして六代家宣の実弟という血筋。いわゆる直系男子であった。が、七代家継が危篤に陥った折、年齢や藩政の実績を理由に将軍就任を拒み続ける。これには、清武の真意があった。城に居ては庶民の目線を失う。長屋に暮らしながら悪人退治をしたかったのである。紀州から迎えた八代吉宗を市中から支え、享保の改革の片棒を担いだ清武……。熱く、波乱に満ちたその活躍を描く、期待の新シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
klu
10
上田秀人の勘定吟味役異聞シリーズと被る時期です。吉宗が大分強面な感じでしたが、こちらの吉宗は大分ソフトです。大奥も波風がたっていないようで拍子抜けな感が・・・2019/06/13
サケ太
5
題名に惹かれて購入。54を過ぎた徳川家光の孫。上野館林藩藩主、松平清武。浪人に身として、民たちとともに江戸で暮らしていた。かつての失政から将軍となる野心もなかった彼は、6代目将軍の正室、天英院の推薦されるも、それを固辞する。彼女とともに8代目将軍となった吉宗を支えていくことに。江戸や日本という国家の抱える問題。財政、民の訴え、火付盗賊など。襲い掛かる刺客は剣で払い、市井を見ているからこその解決策を提示する。実際施行された政策も書かれており面白い。軽快な読み心地。面白かった。2017/02/10
たかさん
3
松平清武というあまり知られていないが、とても興味深い人物が主人公。こちらは、超有名な将軍吉宗(その座を清武は譲った)をあるときは知恵で、そしてあるときは刀で、陰から支えていく物語。面白かったです。2017/02/11
Giyaman Teialuji
1
これは面白かった。読みやすいです。あっという間に読めます。2017/03/08